義父の怒り-1
ある日、タケシが声を荒げて何やら怒鳴っているのを聞いた友梨奈は、驚いて居間に駆け込んだ。
そこには見たこともないような厳しい顔をしたタケシと、真っ青な顔で立ち尽くすケンジがいた。
「お義父さん! どうなさったんですか。」
「ケンジ、自分の口で言え。」
しかしケンジは惨めに震えなが立ち尽くすだけだった。
「友梨奈さん、金だよ。随分調子よく遊んでいるのが不思議で銀行口座を確認したら、二人に渡している生活費以外に1,000万も使い込んでいたんだ。
そのへんの不良に簡単に博打で巻き上げられたらしい。馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、ここまで馬鹿だとは思わなかった。」
「ご......ごめんなさい」
「謝って済む額か、馬鹿者が。
お前が働いていた時、1,000万貯めるのにどれくらいかかったと思う。
下手したら一生無理かもしれない。
それをたった数ヶ月で全部溶かしてしまったんだぞ。親子であっても絶対許されないことだ。
この金はな、私が命を削って稼いだ金なんだ。」
友梨奈は呆然として立ち尽くしていたが、板の間に正座し、頭を擦り付けたわびた。
「お義父さん、ごめんなさい、一緒にいた私が行き届かないのでこんな事になって。」
「友梨奈さんのせいじゃない。子供じゃないんだ!!」
タケシはしばらくケンジを睨みつけていたが、足音高く自室に入り、すぐに手に金を持って戻ってきた。
「100万ある。これを持っていますぐ出ていけ。二度とこの家には戻ってくるな。お前とはもう他人だ。友梨奈さん、ついて行くならついて行きなさい。行かないなら今すぐに離婚届を書きなさい。」
タケシの申し出はいつも急だった。
そして友梨奈はその勢いに押されるままに性交奴隷となり、男根に奉仕する日々を過ごすようになった。
寝ているケンジの直ぐ側で精飲を強要されたこともあるし、人妻を妊娠させて夫の子供として育てさせるなど、道徳観念が欠落した異常な人間である。
他人を説教する資格があるとも思えない。
しかしケンジの行為はどう考えても許されるものではなかった。
「友梨奈......」
目に涙を浮かべたケンジはすがりつくように友梨奈を見た。
友梨奈は正座したままタケシを見て言った。
「お義父さん、ケンジさんのしたことは許されないことです。とてもこの後一緒に暮らせるとは思えません。」
「友梨奈、ウソだろう!!」
「ケンちゃん、どうして働かないの? お義父さんのお金で生きていくつもりなの? そんなの尊敬できないよ。 子供ができたらパパの仕事をなんて説明するの?」
「あ......あ......でも、でも......」
「友梨奈さん、離婚届はいつでも出せるんだ。
今すぐ出しに行くから印鑑を用意しなさい。お前は身の回りのものを10分で整理しろ。
余計なものを持ち出すんじゃないぞ、持ってきたものだけだ。」
友梨奈はすぐに身支度を整え、車を車庫から出した。
しばらくすると呆然とした表情のケンジが小さなバッグを持って、タケシに引きずられるようにして家から出てきた。
村役場での手続きは実に事務的で簡単なものだった。
「かばんを開けろ」
タケシの厳しい物言いに、ケンジは慌てた様子でバッグを開けた。
普段履いているパンツ、シャツ、下着類、免許証、そしてタケシの渡した100万円。
タケシは鞄の奥まで見て、スマホと家の鍵を見つけた。
「スマホ代は誰が払っていたんだ?」
タケシはスマホと鍵をポケットに入れると友梨奈に声をかけた。
「ケンジはここから自分の足で好きなところに行けばいい。友梨奈さん、家に帰るよ。」
「友梨奈......」
ケンジのすがりつくような声を背に、友梨奈はタケシとともに車に乗り込み、家に向かった。
不思議なくらい友梨奈の胸にはなんの感慨も起きてこなかった。
むしろ、親の遺産を当てにするケンジの様子を見たときから、近い将来こうなることを予測していたような気がする。
ケンジのいなくなった家に戻ると、友梨奈は再び床に正座して手をついた。
「お義父さん、どうかこれからもよろしくお願いします。」
「友梨奈さん、馬鹿な息子で本当にごめんなさいね。私の方こそ謝りたいと思っているんだよ。
今日からは二人で生活していこうね。お金のことはなんの心配もないから、好きなものを買って良いんだよ。」
「お義父さん、ありがとうございます。 お義父さんにお世話になります。」
「今までみたいに、仲良くしてくれるかい。」
ケンジの物言いは、急にねっとりとしたものになっていた。
友梨奈はケンジの目を見ながらはっきりと言った。
「はい。お義父さんのオチンポにご奉仕します。もうピルもやめます、美幸さんみたいにお義父さんに妊娠させてほしいです。」