田舎の生活 他人の性交の観察-1
ケンジの状態は一進一退で、薬を飲むとぼんやりしているだけだし、飲み忘れたときには青ざめた顔で将来への不安を訴えた。
ある日、息子の様子見に来たケンジの父、タケシは友梨奈に言った。
「これでは生活も大変でしょう。お金はあるの? まだ若いからそんなにないでしょう。
ウチは田舎だから不便かもしれないけど家賃はかからないし、広い家に私一人で暮らしてるから実は大変なんだ。
一緒に住むようにしてくれないかい。」
タケシは70近いはずだが足腰はしっかりしており、友梨奈にも優しく接してくれた。
初めてあったときにすでに連れ合いを亡くしており、古い、広い家に一人でぽつんと暮らしていたのである。
ケンジの体を考えれば、生まれた家に戻り、静かな田舎で生活するというのは、最高の申し出だ。
「ケンジさんと相談させていただきますが......私もそれが一番いいと思います。本当にありがたいお申し出で.....」
友梨奈は畳に手を付き頭を下げた。
勿論ケンジにも異論があるわけはなく、生家に戻れるというので明らかに精神的にも楽になったようであった。
借りていたマンションを引き払い、役所への届け出などを済ませ、引っ越しを終えたのは秋だった。
「部屋は好きなところをどこでも使ってね。もともとケンジの部屋だった二階でも良いし。」
「ありがとうございます。本当に助かります。今日からよろしくお願いいたします。」
広い板の間に正座した友梨奈は、大きな尻のせいで丸出しになった太ももを気にしながら、ケンジとともにタケシに頭を下げた。
部屋数がいくつかあるのかもすぐにはわからず、昔から増築を繰り返しているので構造も入り組んだ家だった。
これを一人で維持するというのは大変だろうな、友梨奈はそんな事を思った。
フラフラとケンジが2階に上がると、タケシは友梨奈に言った。
「お金とか、そういうことは一切気にしなくていいけど、身の回りのこと、助けてほしいんだ。色々と。」
「はい。勿論です。何でもやらせていただきます。おっしゃってください。」
「じゃ早速だけど、11時にお客が来るので、その人のお相手をね。ヤマザキさんの奥さんだよ。美幸さんね。」
美幸は以前から帰省のたびに顔を合わせており、何度も話したこともあるので、よく知っていた。
細面で切れ長の目をした、美しい女性だった。
ほっそりとしていたが、友理奈同様尻が上向きで大きく、ジーパンをはくと尻がパンパンに張っていた。
おそらく30代半ばの小太りの夫と、小学校低学年と思しき女の子の3人暮らしであり、見かける時はいつも幸せそうであった。
「お茶とか、そういうのは良いから一緒にいてほしいんだ。」
わけが分からなかったが、田舎のもてなしとはそんなものなのだろうか。11時が近づくとタケシは友梨奈をよんで、家の奥に歩いていった。
「あの......玄関の方にいなくて大丈夫ですか?」
「もう来てるんだよ」
タケシは大股で暗い廊下を歩みながら言った。
「あら、ごめんなさい、気づかなくて」
「いやいや。いつも裏口から勝手に来るんだよ。」
これが田舎の生活か。
鍵もかけずに外出するとは聞いていたが、他人の家に勝手に入ることもあるのか。
タケシは急に歩みを止め、かなり奥まった部屋の、重い引き戸を開けた。友梨奈もその後について中に入った。
部屋は10畳程度の和室であった。
「あらっ、やだ、友理奈さん」
友理奈は美幸の姿を見て息をのんだ。長い髪をアップにし、黒いブラジャーをしていて、上から前が大きく開いたスケスケの白いベビードールを羽織っていた。
そばには布団が敷かれ、そのわきで美幸は正座してタケシを待っていたのである。