夜の狂宴の前に 香澄の性春 その６-6
（史恵はアナルセックスを求めるような男がいるってこと？）
その場にいる全員がそう思った。
その一方で、匠は自分の提案が意外にも受け入れられそうな雰囲気に歓喜しつつ、
冷静を装っていた。
「綾乃はどう？指、入れるの……。」
「誰と誰が入れてみたいって言ってるの？」
「ちょっと待ってて……。１，２、３……５人だ。」
「５人？つまり全員、ってこと？」
「ああ。確かに言われてみれば興味がないわけじゃない。」
「健。正直に言いなさいよ。」
「あ、はい。興味が……あります。」
「そっか。香澄はどうなの？」
綾乃の問いかけに、香澄は明らかに戸惑いの声を上げた。
「わ、わたし？お尻の……穴に……指？」
「香澄。どうしたの？急に弱気になった感じよ。
あなたいわく、ケツの穴、でしょ？」
「そ、そうだけど……。指、入れるんでしょ？」
香澄は正直、トイレでペーパー越しでしか触れたことのないお尻の穴を、
よりによって匠が欲していることを知り、大いに戸惑っていた。
しかし匠にアナルへの興味があるのなら、それを叶えなければとも感じていた。
（それに、私が叩いて欲しいと言ったら、
あんなに一生懸命に、お尻を叩き続けてくれたんだもの。
今度はわたしが匠君の望みをかなえなきゃ。）
ましてやここにいる綾乃も史恵も、そのことに前向きに動こうとしているのだ。
自分がここで引けば、匠の、自分への思いは一気に冷めてしまうかもしれなかった。
「どうなの？香澄。」
「でも、入れる、んでしょ？」
「そうだって。指を入れて、キツキツかユルユルかを調べたいんだってさ。」
「そう。あなたの大事な人は、本当は指じゃなくって、
もっと太いものをいずれ入れたいみたいだけどね。」
「そうそう。あれを入れるとなると、結構ユルユルの方がいいのかもね。」
「少なくとも、入り口がキツキツだと、切れちゃうんじゃない？」
「わ〜。そうなったら悲惨だわ〜。切れ痔って言うの？それって。」
「切れ痔は病気でしょ？この場合は怪我、なんじゃない？」
「わ〜。お医者さんになんて言って治療してもらうの？
彼氏に極太マグナム級のペニスをぶち込まれて、
ケツの穴が切れちゃいました〜って言うわけ？」
「わたし、そんな恥ずかしいこと、言えないわ〜。」
「だったら、相手の男についていってもらって、言ってもらうしかないか……。」
「え〜？なんて？なんて？」
「あの〜。彼女のキツキツケツの穴に、
ボクのマグナム砲を無理矢理ぶち込んでやったら、
彼女のケツの穴、切れちゃったんです〜って感じ？」
綾乃と史恵は、匠と香澄のことを頭に思い浮かべながら話をしているに違いなかった。
いつもは聞き流すだろう香澄も、さすがに腹を立てたのか、声を荒立てた。
「綾乃。史恵。いい加減にしてくれる？
わたし、そんなんじゃないから。」
「ごめん。怒った？」
「ううん。怒ってはいないわ。そんなことになったら困るから、
ちゃんと確かめようって思っただけ。」
「ちゃんと確かめる？」
「ええ。入り口と中の方と、自分じゃ調べられないもの。
この際、指がどのくらい入るのか、それから、もっと太いものも入れられるのか、
ちゃんと調べてもらった方がいいなって思ったの。」
「香澄……。」
驚く綾乃と史恵をよそに、香澄は布団から顔を出し、明るく言い放った。
「ね？それでいいでしょ？」
「え、え〜と。じゃあ、３人とも、ОＫ、って……ことで……。」
「ええ。その前に、少し時間をくれる？」
「ど、どうしたの？」
「おトイレに行ってきたいの。
だって、指、入れられて、汚しちゃったら申し訳ないでしょ？」
香澄がそう言うと、綾乃も史恵も顔を上げ、立ち上がった。
「香澄。その後、シャワー、浴びようよ。」
「うん。わたしも史恵の意見に賛成。」
「そっか。トイレの後に、ね。」
「うん。」
「じゃあ、男の子たちは、少しの間、待っていてください。」
「ハ……ハイ。わかり……ました……。」
今日の男たちはなぜか女たちの勢いに圧倒され、言いなりになることが多かった。
待っていてと言われて素直に従う。
本当なら、綾乃たちについて行きたがったり見たがったりするのだが、
さっきの股間お剃り具合の確認はまだしも、
トイレでの排泄シーンや、排泄した後のアナルを洗ったりする場を見たいなどと、
さすがにそう簡単には言えなかった。
もちろん、興味がないわけではなかった。
潔癖症か何かならまだしも、
女性の秘密めいた儀式のようにさえ思える排泄シーンを見るチャンスがあるのなら、
一度くらいは見てみたいと思うのは、アブノーマルでもなんでもなく、
男たちの本音であり、それも一つの性の対象だった。
ただ、さすがに匠も、見たいからついていってもいいか、とは聞かなかった。
男たちは３人がトイレに行き、順番に用を足し、
そのあと浴室に行って洗い終えて部屋の戻って来るまでのかなり長い時間を、
ずっと無言で過ごした。
それは、まるで何かの神聖な儀式が終わるのを、
式場の外でじっと待っているかのようだった。
最初に戻ってきたのは史恵だった。
史恵も、待っている５人の男たちの、一種異様な雰囲気に押され、無言で座った。
次に綾乃が戻ってきた。
最後は香澄だった。
女３人が戻って来ると、雅也が重苦しい空気を押しのけて、わざと明るく言った。
「じゃ、じゃあ、さっき、みたいに……。」
「ねえ、やっぱり四つん這いになるの？」
「えっ？だって、それが一番入れやすいんじゃ……。」
「うん。確かにそうなんだけどさ。」
「もっといいポーズ、ある？」
「ううん。四つん這いでいいんだけど、順番でいいんじゃないかなって思ってさ。」
「順番？」