夜の狂宴の前に 香澄の性春 その3-6
香澄は自分の腋の下にさえも感じてしまう場所があることを、
史恵によって初めて教えられた。
耳たぶも、首筋も、背中も脇腹も、時と場合、相手と方法によっては、
身体のどの部分でも感じてしまうことも、
史恵の舌と指先によって、そして史恵の乳首によって教えられたのだ。
香澄は史恵のオマ〇コを不思議そうに眺めながら、
指先や舌先を使って、その細部までを観察した。
そのまま、二人は相手のオマ〇コを舐め、クリトリスを嬲りながら、
繰り返し繰り返し絶頂を迎えたのだ。
結果的には、その間、2人の男たちは、
目の前で繰り広げられる、どちらかが果てても終わらないレズショーを、
自分のペニスを扱きながら鑑賞することになった。
史恵は豊や匠と交わる中で、
叩くという、一種異常な行動だけでなく、
抓ったりつまんだり、擦ったり弾いたり、などという様々な動きが、
セックスにおいては重要な愛撫となることを、
実際に香澄の身体に体感させる形で伝えていった。
初めての男との交わり。
初めての男たちとの交わり。
初めての女との交わり。
そして、初めての男たちと女との交わり。
香澄は、性に関する数多くの初めてを、史恵の家で経験することになった。
そしてそれは、今までの香澄を大きく変えるきっかけとなった。
生活面で言うのなら、史恵の家で初体験を4Pという形で終えた香澄は、
史恵に帰り際に教えてもらったオナニーをするのが日課となってしまった。
今まで自分の身体を意図的に刺激し、
快感を得ようとしたことなど全くなかった香澄が、
少しでもあの日の快感に近いものを求めて、乳首を抓り、股間を弄るようになった。
しかし、香澄が本当に欲しかったのは、
自分でクリトリスを擦って得られるような快感ではなかった。
ギリギリと膣壁を押し分けて侵入してくる匠のペニス。
そして内臓まで一緒に持っていかれるかと思えるような引き。
香澄の子宮さえ突き抜けてしまうのではないかと思える力強く、奥深くまで届く突き。
その感覚だけは、いくらクリトリスを弄っても、得られる快感ではなかった。
当然、香澄の身体は、毎晩のように匠や豊のペニスを求めるのだが、
高校生が毎晩泊まり歩くことなど、実際には不可能だった。
もちろん、同級生である匠とは毎日学校で顔を合わせる。
だからと言って、学校で、匠と身体を交えるチャンスなどあるはずもなかった。
当然、クラスメイトや教師の目がある。
すれ違いざまに互いの手を触れあわせたりするのが精一杯だった。
それでも香澄と匠は、土曜日の午後や日曜日には、
デートと称して二人きりで近くの公園に行き、
人影のない林の中や草むらの中に潜り込み、互いの身体を貪り合うのが定番となった。
しかし、いつ人に見られるかもわからない状況では裸になるわけにもいかず、
互いに服をはだけただけの格好で抱き合ったり、
窮屈な下着の中に手を差し入れて愛撫したりするだけだった。
史恵と抱き合うのは放課後の教室だった。
それでも互いに制服を着たままで、スカートをまくり上げて、
下着の上から互いを愛撫し合ったりするのが精一杯だった。
豊は野球部の練習が忙しいらしく、史恵はほとんど会えない状況だという。
そんな欲求不満のある日の体育の時間、史恵は香澄を誘って体育の授業をさぼり、
教室に残った。
少なくとも、クラスメイトは4〜50分は教室に戻ってはこない。
二人は久々に、ドキドキしながら全裸になり、
床に寝転がり、69で互いの身体を慰め合った。
香澄は、豊にも抱かれたいと思ったが、史恵でさえ会えていない状況では、
4人一緒に身体を重ね合わせる機会など全くなかったし、
豊と二人きりであるチャンスなどあろうはずもなかった。
そうなのだ。香澄は匠に夢中になったわけではなかった。
香澄にとって一番魅力的なのは、セックスそのものなのだ。
もちろん、匠のことは肉体的な意味だけでなく、精神的な意味でも好きだったし、
匠も、香澄のことを愛し始めていた。
それに、どこで知識を仕入れて来るのか、
香澄と会う時は必ず何かしらのサプライズを用意してくれた。
それは愛撫の仕方だったり新しい体位だったりした。
しかし、香澄が本当に夢中になったのは、セックスそのものだった。
セックスそのものの魅力にハマったのだ。
生活ばかりではなかった。
たった一晩の経験が、香澄の性格をも変えてしまったのだ。
香澄にとってセックスは、そして乱交という行為は、
それほど衝撃的な出来事だったのだ。
それまでの香澄は、どちらかと言えば大人しい性格のせいか、
積極的に何かに取り組むということがなかった。
スポーツは苦手と言うほどでもなかったが、
取り立てて夢中になるスポーツもなかった。
かと言って、読書が趣味と言った女の子とも違っていた。
ただただ真面目が取り柄と言うほどではないにしても、
何か問題を起こすような子でもない。
香澄が思春期を迎えても、親はほとんど心配することがないような子だったのだ。
友達が遊びに誘えば時々は付いて行く。
自分から誘うようなことはほとんどなかった。
部活動に誘う友達もいたが、香澄は今一つ、その気にはならず、
放課後は時々図書館で、その日の授業の復習をするくらいで、
帰宅も6時を過ぎることなどなかった。
簡単に言えば、ただ単に、夢中になれるほど魅力を感じるものが、
それまでの香澄の周り、香澄の生活の中にはなかったのだ。