家族旅行での出来事 2-5
「そうなんです。息を止めたまま、絶頂を迎えると、
最初の頃はよく溺れそうになりました。
水の中だってわかっているのに、いく直前に、息を吸っちゃったり。」
「でも、だんだん慣れるにしたがって、
水中フェラもできるようになったんですよ、こいつ。」
「水中フェラかい?へえ、それは経験したことない、と言うか、初耳だな。」
「じゃあ、おじ様。咥えてもいい?」
(水中フェラって何だろう。
ア、そうか。お姉ちゃん、お湯の中に潜ったまま、フェラをしてるんだ。
あ、だから声が聞こえなかったんだ。)
「いや、後の楽しみにとっておくよ。
真央ちゃん、まだ呼吸も整っていないみたいだし。」
「じゃあ、せめて普通のフェラだけでも。」
「真央。もうこのくらいにしておこう。
あまり本格的になると、後の楽しみが減っちゃうぞ。
雅和さんだって、いきなりじゃ驚かれるし。」
急に、強い口調の孝志の声が聞こえ、真奈美はびくっと驚いた。
(あの優しそうなお兄ちゃんがあんな怒ったような声を出すなんて。
何があったんだろう。兄弟げんかかなあ。)
「いや〜。もう十分に驚きました。最高の味見でしたよ。
真央ちゃんの水中フェラは、夕食後のメインディッシュにとっておきますよ。」
(メインディッシュ?夕食後のメインディッシュ?
えっ?普通、夕食がメインディッシュじゃないの?
えっ?この旅館って、夕食の後にも何かおいしいものが出るのかなあ。)
「あ〜ん、ヤダ〜。咥えたいよ〜。」
「真央。今は我慢するんだ。
我慢して、我慢して、したくてしたくてたまらなくするんだろ?
ほら、ボクのを咥えさせてあげるから。」
「ああん。おじさんのがいい。おじさんのが咥えたい。」
「だから、雅和さんも言っただろ?食後のメインディッシュだって。
真央も、雅和さんをメインディッシュだと思えばいい。
今は単なる味見だよ。」
(妹を虐めてる?悪いお兄ちゃん?
おかしいなあ。お姉ちゃんがしたいって言ってるんだから、
させてあげればいいのに。
意地悪してるのかなあ。
でも、お父さんも、同じように意地悪を言ってる。
変だなあ。)
真奈美は何げなく母親の方を振り返った。
母親はお湯に浸かり、下を向いたまま、
何やら夢中になっているような表情に見えた。
身体の周りのお湯が激しく揺れているのが真奈美の位置からでもわかった。
(あれ?お母さん、どうしたんだろう。)
「あとでたっぷりと咥えさせてもらおうね。今は我慢だ。」
「あ〜ん。お兄ちゃんの意地悪〜。
だったらお兄ちゃんのでいいから、ちょうだい。」
「じゃあ、生野さん。夜、8時。ここでお待ちしています。」
「ああ。妻もきっとその気になると思うんだ。娘も一緒でいいんだろ?」
「ええ。もちろんです。ボクがお相手していいってことですよね?」
「ああ。ただし、真奈美の欲求はかなり高いからね。」
(真奈美の欲求が高い?
えっ?真奈美、そんなに贅沢してるのかなあ。
お金、使っちゃってるのかなあ。
あ、今日の旅館がとっても高いのかもしれない。
あ、だから、夕食の後にメインディッシュがあるんだ。)
真奈美がひとり合点していると、孝志と父親の明るい声が響いた。
「ええ。それもさっき感じました。楽しみですよ。」
「じゃあ、ボクは男湯の方に移るから。」
「はい。ありがとうございました。」
それから兄妹は本格的に始めたようだった。
お湯がチャプチャプと跳ねる音に混じって、
真央と名乗った妹の喘ぎ声が向かいの山に木霊し、エコーがかかったように聞こえる。
「あ〜ん。抜かないでよ〜。おかしくなっちゃうよ〜。」
「ああ。おかしくなっちゃっていいんだぞ。真央。」
この声はさすがに鼻歌を歌っていた真奈美の耳にもはっきりと届いた。
それほど大きな声だった。
(お姉ちゃん、気持ちよさそうだな〜。
露天風呂だからかな。
ああ、真奈美も、とし君とこんなところでしてみたいなあ。
そう言えば、とし君、どうしてるだろう。
確か、今日はなんかのパーティーだって言ってたけど。)
真奈美はタオルを頭の上に乗せ、鼻歌を歌い始めた。
「湯気が天井からぽたりと背中に〜って。天井がないじゃん。
だって、露天風呂だもの。」