麻衣・無残-1
源造が麻衣の後手縛りの縄を解いた。
「助左ッ、この麻衣って小生意気な女、すっ裸にしちまえッ」
えせ武士呼ばわりされたことを、まだ根に持っているのだ。
「父ちゃん、どうせならストリップやってもらおうよ。一度本物を見てみたかったんだ」
「おお、それは面白い。聞いたか麻衣ッ。さっそく始めて貰おうか」
「そんな・・・」
いくら強制されたとはいえ、うら若き女子大生が人前で全裸を晒すなどあり得なかった。両手を胸の前で交叉しながら、均整のとれた肢体をすくめている。
「痛い思いをしないと分からんようじゃのう」
竹刀を拾い上げると大きく振りかぶった。
(打たれるッ!)
眼をギュウッと閉じ、奥歯を噛んで身構えた。
「ギャアーーーッ!」
悲鳴をあげたのはりかだった。激しい凌辱に心身ともに衰弱し、ぐったりと横たわるりかの尻丘には、赤い条痕がくっきりと浮かび上がっている。
「どうじゃ、ストリップをやる気になったか?」
「なんて卑劣なッ・・・」
血が出るほど唇を噛み、源造を睨みつけた。
「フフン・・・」
そんな麻衣を嘲笑うかのように、男が竹刀を振り上げた。
「待って!脱ぎます」
りかを巻き込むわけにはいかなかった。震える指で胸のボタンを外し、ざっくりとした大きめの栗色ブラウスを床に落とす。
シックな色づかいのショートパンツもファスナーを下ろし、足首から抜き取る。一瞬ためらったが、黒いタイツも同様にした。残るはラベンダー色のブラジャーとパンティーのみだ。
「おおーッ」
男たちから感嘆のため息が漏れる。スポーツで鍛えたのびやかに発達した肢体は、程よくふっくらとしたりかの肉体とはまた違った美しさを放っていた。
「まだ残っとるではないかッ、何をグズグズしとるッ!」
麻衣の均整のとれた全裸ヌードを拝みたい一心で、源造が声を荒げた。
(ねえ、温泉にも行こうよ。)
りかとそう決めていた。それでプリントが施されたお気に入りの下着を身に付けてきたのだ。それなのに・・・。
「聞こえなかったのかッ、女ッ」
ビシイッ!
なかなかブラジャーに手をかけない麻衣に業を煮やし、源造がりかの尻を思いっきり蹴り上げた。
「ぎゃあーッ!」
甲高い悲鳴をあげてりかが床を這う。
「脱ぎますッ、脱ぎますからッ」
ためらっている暇はない。端正な美貌を哀し気に歪めながら、麻衣は両手を背中に回した。
今、麻衣は生まれたままの裸身を男たちに晒しながら直立していた。命じられた通り両手は頭の後ろに組み、足は肩幅に開いている。
小ぶりだが形の良い胸のふくらみに、薄桃色の乳首がツンと尖りたつ。キュッと締まった見事な腰のくびれは、年頃の女性特有の柔軟な筋肉が美しいカーブを作り上げている。濃いめの恥毛はショートヘアの髪とコーディネイトしたかのように栗色だ。
「ゆっくりと回ってケツをみせるんじゃ」
男の命令に麻衣がノロノロと足を引きずる。
「聞こえたら返事をせんかッ!」
「は、はい、ごめんなさい」
あまりの屈辱に、麻衣は唇を震わせた。
「色っぽくケツを振らんかッ。この儂を挑発してみろッ」
泣くことも許されず、新たな指示が出た。はいと小さく頷いた麻衣は全身を朱に染めて、淫らな尻振りダンスを披露するのだった。
日本人離れした上を向く尻肉に太い腿。それでいて足首はキュと締まり、美しい脚線美を描いている。その双臀に源造の手が伸びた。
「ケツまで生意気じゃ」
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの心境なのか、麻衣の美しいパーツまで気に入らない。二つの尻丘を憎々しく揉みあげた。
「こんな女、大事に扱うことはないぞッ。びしびししごいてやれッ」
真に受けた助左が麻衣の乳房を荒々しく揉みしだく。
「痛いッ、許してッ!」
ほとばしる悲鳴も苦痛に歪む美貌も、サディストの源造を喜ばす結果にしかならなかった。
りかの身体で男の情欲を発散させた二人の親子は、麻衣にそれを求めることはしない。その代り、様々な残酷な悪戯を施しながら勝ち気なこの女を弄ぼうとしていた。
「ケツを振って踊るんだッ。色っぽくなッ」
麻衣の均整のとれた裸体がくねくねと揺れる。
「返事をしろと言ったはずだぞッ」
「あ、はい」
今にも泣きだしそうな顔だ。
「愛想を振りまかんかッ。能面のようなツラじゃあ面白くも何ともねえッ」
「は、はい」
こわばった頬にひきつった笑みを無理に浮かべ、腰をくねらせる。
「おっぱいが揺れとらんぞッ!客を楽しませるんじゃ」
「は、はい・・・ごめんなさい」
麻衣は怯え、狂ったように尻をふり、乳房を揺らした。プルンプルンと音をたてんばかりに柔肉が弾む。
ロックダンスと盆踊りを融合させたような奇妙な動きに、男たちは腹を抱えて笑い転げていた。