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城ガール・幽囚
【鬼畜 官能小説】

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序章-1

 聖嘉女子大学学生食堂

「図書館でこんなのみつけちゃった」
 りかが向かいの席でコーヒーをすする麻衣(まい)の瞳を覗き込みながら、一冊の本を差し出した。
「廃城を旅する?・・・ふーん」
 苔むした『野面積み』の石垣の表紙に興味を示しながら、麻衣がページをめくった。
「ここどうかな?」
 りかが身を乗り出してあるページを開く。
「石殿山城?・・・天然の要塞・・・武田軍に追われ・・・へえー面白そうじゃん」
「でしょ?」
 りかが両膝をテーブルにつき、顔を包み込みながらちょっと甘えた口調で言った。『一緒に行こう』という意味なのだ。
「そうねえ・・・」
 麻衣が曖昧に頷いた。本当は松本城に行きたかったが、夏休みに無理を言って姫路城を連れ回した身としては、何とも分が悪い。
「あっ、グルメ情報だって・・・」
 麻衣が声を弾ませた。
「栗ご飯にさつまいも、新そばもおいしそう・・・あっ温泉もあるって」
 本から顔を上げキュートな笑みを浮かべる。
「これはもう行くしかないでしょ」
「そっちかっ」
 二人の屈託のない笑い声が学生食堂に響いた。

 石田りかは文学部歴史学科の三年生。清楚で明るく、育ちの良さを感じさせる知的な顔立ちで友達も多い。女性らしいふくよかなスタイルで、秋らしくマスタード色のブラウスにブラウン系のデザインスカートは、まさに令嬢といったところか。
 りかが歴史に興味を持ったのは、高校の日本史の授業だった。陰謀と裏切りが渦巻く戦国時代。男の野心のため政略結婚の犠牲となった女性たち。聞くところによると、名だたる武将には多くの側室がいたという。『それって一夫多妻じゃね』あるいは『愛人じゃん』・・・当時はそんな発想しかできなかったが、この時代をもっと知りたい、究めてみたい、そんな思いで歴史学科を選んだ。卒論のテーマもこの時代を生きた女性たちの内面に迫るつもりだったし、将来は高校の日本史教師を目指している。
 そんなりかだったが決してがり勉タイプではなく、デートやサークル、アルバイトにと学生生活を満喫している。

 市橋麻衣は社会学部の三年生。心理学を専攻している。りかより小柄だが、活発でハキハキした性格は誰からも好かれた。水泳やテニスで鍛えた健康的な肢体が小づくりな顔と相まって申し分のないスタイルを作り出している。日焼けした琥珀色の肌と美しい脚線美によほど自身があるのか、ショートパンツや膝上スカート姿が多い。当然今日もミニだ。
 歴史はマンガや戦国シュミレーションゲームで学んだ。ただそれを専門に勉強しようという気はなく、興味のあった心理学の分野に進んだのだが、ひょんなことからりかと知り合い意気投合し、今ではすっかり『歴女』だ。

 そんなタイプの違う二人だったが、入学以来気が合って付き合いを続けている。共通点といえば・・・学内1・2を競う美貌と、若くてぴちぴちした躍動感あふれる肉体の持ち主であることだった。




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