香澄の満足 その理由(わけ)-4
(だめ、いやよ。こんな奴らにいかされるなんて。
誰だかわからない、顔も見ていない、どんな奴かもわからない。
それじゃ感情なんて生まれるわけないじゃない。)
そうなのだ。
好きなのか、嫌いなのか。
いいのか、いやなのか。
受け入れるのか、受け入れないのか。
相手がどんな顔で自分を襲っているのか、どんな気持ちで腰を振っているのか、
どんな形相でペニスを口に突っ込もうとしているのか。
(なにも想像できない。まるで黒子に犯されているようだわ。
ううん。黒子だって、体格とか、雰囲気とか、そう言ったものが伝わってくるけれど、
こいつらにはそれが全くない。
いやよ。もうダメ。ああ、もう耐えられないわ。)
相手の存在を意識できない状態では妥協も諦めも存在せず、
恐怖と絶望しか生まれないことを香澄は初めて知った。
それでも身体は反応を続け、香澄の意に反して絶頂を迎えようとしていた。
小刻みな連続した絶頂ではなく、
まもなく大きな波が襲って来ようとしていることが想像できる。
(いってたまるものですか。だれがいくもんか。
たとえそれが無理だとしても、声なんか絶対に上げないわ。)
香澄は押し込まれたまま喉の奥に圧をかけてくるペニスで嘔吐しそうになりながら、
声だけは出すまいと心に決めた。
身体全体がビクッビクッと動き始めた。
(来る。来ちゃう。いや、嫌よ。こんな奴らに……。いかされる……。なん……。)
3人の動きがさらに激しくなる。
香澄の身体中に散らばった性感帯たちが、そろって最高の絶頂めがけて走り出している。香澄の心だけが必死にそれに逆らい、
意に反していかされてしまうという屈辱を回避しようとしていた。
全てのペニスが一体感を持って動いたかと思うと、
次の瞬間にはそれぞれが全く別の動きをし、
香澄の性感帯に常に新しい刺激を送り続けている。
そのマンネリを感じさせない刺激は、香澄の心さえも押しつぶしそうになる。
(あ、ああ、ダメ、い、いい。いや、だめ、いやよ。あ、ああ、だ、だめ。)
次の瞬間、喉の奥に熱いものが出された感触があった。
同時に、香澄のアナルにも、オマ〇コにも、熱いものが放出された。
(あ、熱い。こ、こんな……はずじゃ……。)
香澄の口からペニスが外された。
ポカっと開けたままの香澄の口元からドロドロとした液体が流れ落ちていく。
香澄の心はまだ身体と戦っていた。
少しでも気を緩めれば、香澄のアナルやオマ〇コの中に出された熱い液体の感触で、
香澄の最高の絶頂への最後の壁をジャンプしてしまう気さえする。
しかし、香澄は歯を食いしばり、それに必死に耐えた。
絶頂に達しないように、こんなに耐えたのは初めてだった。
香澄の心の抵抗に、諦めたかのように、少しずつ、少しずつ、身体が沈静していく。
(ああ、雅和さん。わたし、負けなかった。
こんな奴らに、いかされることに、耐えたわ。)
香澄の目からは喜びにも似た涙が溢れ出した。
突然、目隠しが外された。
身体との戦いに疲れ切った香澄の意識は少し混濁しているようだった。
ぼんやりとした視界の先に、男の顔が見えた。
(えっ?誰?えっ?あなた?雅和、さん?)
合いたい、会いたいと思い続けた心が、香澄に幻覚を見せたのだろうか、
香澄は自分の顔を覗き込む男に抱き付き、何度も繰り返した。
「よく我慢したね。香澄さ……」
「……あなた。あなた。ごめんなさい。」
香澄は男の言葉が終わるのも待たずに話しかけた。
「わたし、わたし、あなたに抱いて欲しくて。雅和さんにいかせて欲しくて。
それで必死になって、耐えたの。
目隠しをされて、顔も判らない男たちにいかされるなんて、嫌だったの。」
香澄は子どもが泣くように泣きじゃくり始めた。
不安や恐怖との戦い、そして夫でない男たちにいかされまいと耐え続けた戦いから、
ようやく解放された安心感が、香澄を包み込んでいく。
泣きじゃくる香澄の肩に男が手を置いた。
香澄がゆっくりと男に顔を近づけていく。
そして香澄の口が男の口を覆った。
男はゆっくりと香澄の身体を抱きしめた。
香澄もそれに応じ、男の背中に手を回した。
香澄の手は、男の股間に伸びた。
「ああ、これよ、これが欲しかったの。雅和さんの、あなたのこれで、いかせて。」
香澄はそのペニスを握りしめると、自分でオマ〇コへと導いた。
男は腰を突き出し、ペニスをゆっくりと挿入していく。
「ああ、あなただわ。ねえ、ねえ、雅和さん。あなたのペニスよ。」
香澄は男の体重を全身で受け止めた。
身体中が圧迫されることに少しの苦痛も感じなかった。
むしろ、包み込まれるような温かさや安心感さえ感じた。
男が腰をゆっくりと動かし始める。
香澄もそれに合わせて腰を動かしていく。
ゆっくりと、そして奥深くまで、
男のペニスは香澄のオマ〇コを労わる様に動いていく。
香澄の身体の奥の方に、男のペニスの暖かさが伝わり始め、
それが全身へと広がって行った。
「あ、ああ、暖かい。ねえ、ねえ、雅和さんのペニスって、こんなに暖かかったのね。」
香澄の手が、男の背中をしっかりと抱きしめた。
男の腰の動きが次第に速くなっていく。
速くと言っても、先ほどの男の腰遣いとは比べ物にならないくらいに、
ゆったりと大きなうねりの様だった。