香澄の満足 その理由(わけ)-3
香澄の太腿に、男の腕が触れた。
香澄は全身を硬直させ、身構えた。
しかし、その腕は香澄の太腿をめがけてやってきたものではなかった。
そのさらに奥にある香澄の中心部をめがけて、
今まさに侵入しようとしているペニスに添えられた腕だったのだ。
香澄のオマ〇コは、あまりにもあっさりとそのペニスを受け入れた。
いや、新たなペニスの接近に気づいた香澄の身体が、
そのペニスを受け入れにいったと言った方がいいかもしれない。
香澄はアナルとオマ〇コに、誰のものかもわからないペニスを、
あまりにもあっさりと受け入れてしまった自分の身体の反応に、
正直戸惑っていた。
香澄は男たちの動きに感じまいとして、一つのことをずっと考え始めた。
【なぜ、身体は極限の絶頂を求めていて、
今、それを実現してくれそうな男たちが現れたのにもかかわらず、
わたしの心はそれを拒絶しようとしているのだろう。
必死になって、感じまいとするのは、なぜなのだろう。】
レイプ犯たちが香澄を襲った時も、香澄はその男たちの顔をしっかりと見ていた。
見知らぬ男たちとは言え、香澄は、その男たちの顔をしっかりと認識し、
そのうえで犯されたのだ。
それは香澄自身が相手の人格を認めたことであり、
香澄自身も人として認められたような気がする。
しかし、相手の顔が全く見えない状態で、なんの言葉もなく、
いきなり二穴ファックをされている今、
香澄は自分の人格さえ否定されているような気がした。
(わたし自身、相手を認識していない。
本当のところ、相手がどんな男なのかと言うだけでなく、
本物の男なのか、あるいは人間なのか、
それさえ分からないまま、わたしは犯されているのだ。
そうなのだ。
わたしは……。たとえ犯されるにしても、
人として認め合ったうえで犯されたいのだ。)
そんな香澄の脚は、香澄の意志を無視して、
オマ〇コにペニスを突き刺してきた男の腰を両側から挟み込み、
その身体を自分の股間の方へ引き付けようと動いていた。
香澄の両腕は、その男の背中に回り、やはり自分の身体の方へ引き付け、
密着度を高めようと動いている
腰は二人の男たちの突きに合わせ、より強い刺激を求めるために、
あえて男たちの動きにぶつかるような正反対の動きをしている。
男たちが腰を突き出せば、香澄の腰も突き出され、
男たちが腰を引けば、次の突きがより強烈なものとなるように、
その距離をとるために、香澄の腰は引かれた。
(身体が勝手に刺激を、快感を求めている……。)
もう何千回を超えただろう、ペニスとの摩擦に、香澄の内部も充血しているだろう。
あるいは出血さえしているかもしれない。
そんな状態の香澄のオマ〇コの壁を、そしてアナルの腸壁を、
見知らぬ男たちのペニスが容赦なく刺激する。
次第に高まる感覚に、自然と喘ぎ声を上げ始めた香澄の口に、
そのチャンスを待っていたかのように、もう一本のペニスが差し込まれた。
香澄は今の自分の身体を取り巻く男たちの位置や姿を想像した。
冷静に考えることで、身体の快感を求め続ける反応を抑えようとしたのかもしれない。
おそらく3人目の男は、香澄の身体を跨ぐようにして、
香澄の口にペニスを突っ込んだのだろう。
だとすればそこそこ身長が高い男なのかもしれない。
下からアナルを突き上げている男はかなり体格がよさそうな気がする。
香澄の身体を苦もなく持ち上げ、ゆっくろと移動させたことからも、
筋肉質なのではなかろうか。
後からオマ〇コにペニスを突っ込んできた男は、太腿を掴んだ指がゴツゴツしていた。
しかし、視界を覆われた香澄にはそれを確認する術はない。
目の前にいるはずの男がこれからどういう動きを、どういう方向にとるのか、
全く想像できないのだ。
その不確定要素が香澄を恐怖と後悔の海へ引きずり込んでいく。
自分はどうなってしまうのだろう、どうされるのだろうという不安感が全身を覆い、
自然と涙があふれてくる。
先程のレイプ犯たちに見せた涙とは違って、香澄の心の涙だった。
(ああ、こんなことなら、さっき、雅和さんに助けを求めるべきだった。
今更後悔しても仕方ないけれど、雅和さんの優しい腕に抱きしめられたい。
ああ、今すぐ雅和さんに抱かれたい。
ねえ、やめてよ。もう、わたしの身体から離れてよ。
わたしには愛する夫がいるのよ。大切な人が何人もいるんだから。
ねえ、もう、本当に、離れてよ。動かさないで。ねえ、もうやめて。)
香澄は声にならない声で叫んでいた。
香澄の気持ちはすっかり冷め、太腿にかかる男の体重さえ鬱陶しく感じた。
口の中に突っ込まれたペニスに嫌悪感さえ感じ始めた。
(ペニスを汚いと感じるなんて、きっと誰のものかわからないからだわ。)
香澄は必死に頭を左右に大きく振り、ペニスを吐き出した。
男は一瞬ひるんだようだったが、すぐに香澄の顔を掴み、
無理矢理にペニスを押し込もうとした。
香澄は左右に頭を振り、それを拒んだ。
しかし、男の手は香澄の頬を掴み、強引に口を開け、ペニスをねじ込もうとしたのだ。
香澄は思わず歯を立てた。
男は声も出さず、それを堪え、逆に、一気に香澄の喉奥深くまでペニスを突き立てた。
喉奥まで入れられてしまうと、苦しくなって自然と口を開いてしまう。
ペニスに歯を立てることはもう不可能だった。
3人の動きが連動してきた。
香澄の気持ちはそうした行為や自分の感覚が高まっていくことを拒んでいるのだが、
身体が勝手に反応していく状況はまだ続いていた。