香澄の満足-1
「…。あ、あのなあ。ちょっとばかり、話についていけなくなったというか…。」
「そうだろうな。なかなか普通の人にはわかってはもらえないだろう。」
「おいおい。オレたちだって、そう普通じゃないと思うがな。」
「ああ。なにしろレイプ集団だ。普通の人間じゃねえことは確かだぜ。」
「ああ。ただ、集団で襲えば女は恐怖から、
言いなりにならざるを得ないと思っているあたりが極めて普通人だ。」
香澄の夫は感情的にならないよう、淡々と話した。
本当ならば、中途半端なレイプをした男たちを罵りたいと思っていたのに違いないのだ。
「じゃあ、香澄が言いなりになったのは、恐怖からじゃねえとでも言うのかよ。」
「ああ。おそらくは好奇心。そして途中からは単純に性欲からだ。」
「てめえ、ふざけるなよ。」
「おいおい、落ち着け、大門。
オレが一発決めて、香澄を失神させちまえば済むことだ。
おい、旦那さんよ。香澄がもし失神したら、
オレたちは香澄をそのまま連れ去らせてもらうぜ。
一度きりの関係じゃもったいねえからな。」
石原と大門は明らかに虚勢を張っていた。
「ああ。そうだな。
まあ、レイプされている立場の者があれこれ注文を出すことはできないからな。
香澄もそうなったらそうなったで諦めるだろう。」
「あんたは?あんたも諦めるって言うのか?」
「君たちが今いる公園は、〇〇学校近くの〇▼公園。違うかい?」
「て、てめえ、な、なんでそれを……。」
「そこまで正直に動揺を表に表すようじゃ、嘘もつけないね。君たちは。
そこまで分かっていて、ボクが何もしないということから、
ボクの答えがわかるだろ?」
「な、なんで場所がわかっているのに、助けに来ないんだ。
いや、警察に連絡することくらいできるだろ。」
「そんなことをして、香澄が喜ぶと思うかい?
絶頂の直前でお預けを食らう者の気持ちが君たちにはわからないのかなあ。」
「……。」
「今夜、香澄には、帰宅するまで我慢できないほどの欲求不満が溜まっていた。
そこに君たちが現れた。運良く、ね。」
「運良く?誰にだ?オレたちにか?」
「香澄に、だよ。君たちにとっては、運悪く、じゃないのかなあ。」
「おい。もう、そいつと話をするのはやめろ。
とっとと香澄を失神させてずらかろう。」
「あ、香澄のスマフォでの撮影は続けてくれ。最後まで見届けたいからな。」
「ああ。役に立たない若いもんにしっかりと撮影させるさ。
まあ、あんたは画面の中の香澄が失神して、
オレたちがこの場から連れ去るところまでをしっかりと見届けるんだな。」
最後は捨て台詞のように言い放つと、
石原はスマフォを若い連中の誰かの手に手渡したようだった。
再び香澄の顔がアップで映し出される。
額の辺りから頬にかけての白い筋は、
男たちに掛けられたザーメンが固まったものだろう。
カメラがパンして香澄の身体の各箇所を映し出す。
首筋から胸にかけてもザーメンの跡が見えた。
乳房はさんざん男たちの揉まれたせいだろう、
真っ赤になり、その先端の乳首も充血して尖っている。
(ケガはなくても身体のいろいろな部分はかなり痛めつけられているみたいだな。
手首や足首にあるのは縛られた跡か?
まあ、香澄のことだ。多少の痛みなら快感へ変えてしまうんだろうな。)
雅和は男たちに弄ばれた自分の妻の身体をかなり冷静に見つめていた。
石原に何やら指示されたのか、大門が香澄の身体を抱き上げ、
さっきアナル洗浄に使った水飲み台のところへ連れて行った。
そして蛇口を開き、水を勢いよく出すと、
その噴き出し口に香澄の身体を近づけていく。
見る見るうちに香澄の身体は全身がずぶ濡れになった。
「おい、何をするつもりだ?」
「なに、あいつらのザーメンで身体がだいぶ汚れたからな。
少しきれいにしてやろうと思ってな。」
石原の言葉には裏がありそうな気がしたが、
香澄自身、それに敢えて逆らうつもりはなかった。
夫も同じように考えたのか、それ以上石原を問い詰めることはしなかった。
(夫も……。もう任せると決めたみたいだわ。
これからはこの人たちの思い通りにさせるっていうことね。
わたしも……。それでいいと思うし……。)
大門は全身ずぶ濡れになった香澄の身体を抱き上げると、ゆっくりと歩きだした。
誰が撮影しているのか、カメラがそれを追う。
大門は砂場のところまで来ると香澄の身体をそのまま砂場へ下ろした。
「さあ、そのまま少しばかり転がってもらおうか。」
大門が香澄の耳元で脅すように言った。
香澄は大門の意図がわからないまま、砂の中を転がった。
全身に砂がまとわりつき、身体中がざらざらした感覚に包まれる。
「どうだ?あまり味わったことのない感覚だろ?」
そう言うと大門は、砂だらけの香澄の身体に抱き付いた。
「普通の方法じゃ、あんたを満足させられそうもないんでな。
ちょっと荒っぽいが、暴力じゃねえ。
それに、あんたにもこの良さがきっとわかるはずさ。」
そう言うと大門は香澄を抱いたまま、激しく砂の中を転げまわった。
そこへ拓海たちがどこから集めてきたのか、
バケツやらペットボトルを手に近づいてきた。
「こんなもんしか見つかりませんでした。」
「ああ。十分だ。じゃあ、少しばかり肉体労働をしてもらおうか。」
大門の指示で、拓海たちはバケツやペットボトルに入っている水を次々に砂場に撒いた。
そして、水飲み台やトイレで水を汲んでは砂場に撒くという行動を繰り返した。
「どうだ?何が始まるか、あんたにわかるかい?」
「砂場に水?何をするって言うの?」
「まあ、だんだんと分かってくるさ。」
大門は再び香澄を抱いたまま転がり始めた。