広報室-8
夕食後カノンは
他のメンバー全員に知らせ
ユキトの事を
義人と呼ぶように合わせて
連絡していた。
夕食を済ませた義人がルームに
ログインしてきた。
カーブや他のメンバーが
ユキトを義人と呼ぶ。
「え!?どうしてだよ?
何で俺の本名を知っているんだ?」
「へへ♪私が皆に
これからは義人って呼ぶように
言ったんだ♪」
「なんで?」
「リサには
義人で通っているでしょ?」
「別にユキトでいいのに!
本名を明かさなくても……
もう言ってしまったもんは
仕方がないけど……」
しばらくして
リサがルームに招待され
ログインする。
「あっ!?キタキタ!」
「おお!
この娘が新しいメンバーかよ?
すげー美人じゃん!?」
「カーブ!五月蝿いわね!
アバターだし!」
「ああ!?そっかw」
「みんなに紹介するわ
私と義人の友達で、リサよ」
「こんばんは♪よろしくね♪」
メンバー全員が声を揃えるように
挨拶をする。
「ふふふ、みんな、いい人そうねw」
「でしょ?来年ね
皆でハワイコミュトラベルに
行こうって計画しているの♪」
「あっ!?カノン!
お前それで
リサをルームに誘ったんだな?」
「へへへ…バレたか!?」
「どう言うこと?」
「リサもルームの
メンバーになったんだから
ハワイ旅行に行くよね?」
「旅行……」
「リサはハワイに行った事がある?」
「ごめんなさい……
わたし…
行ったことがないの…
教えてくれる?」
カノンはミサに
自分で立てたプランを元に
ハワイの魅力と旅行の楽しさを
夢中になって話す。
リサは真剣な面持ちで
カノンの話に聞き込んでいる。
「へ〜楽しそうね♪
旅行って言うのね?
でも、お仕事が始まったら……」
カーブが口を挟む
「リサは仕事は何してるの?」
カノンが焦って答える。
「い、今は仕事してないんだよね?
ね?リサ?」
「え!?ええ、そうね…
今の所はね♪」
「じゃーなんだい?
リサも仕事始めたら
ハワイに行けないって訳か!?
なんか、この計画
無理なんじゃないか?」
「大丈夫だって!
このカノン様の強運があれば
みーんなハワイに行けるって!
大船に乗ったつもりで
計画に乗ってなさい!!」
「ほんとかよ〜?
まぁ貯金するくらい
良いんだけど……」
(本当はルルに
会いに行きたいのによう……)
「ふふふ、
みんな楽しい人達ばかりね?
誘ってくれて
ありがとう……義人…」
「ああ…うん…」
「ところでリサは彼氏いんの?」
「もう!カーブは
デリカシー無いんだから!
そんな事いきなり聞く?」
「だって!いいだろ?
彼氏居なかったら
チャンスあるかもしんねぇじゃん?」
「え!?カーブ!
お前にはルルって娘がいるんじゃ……」
「あー!ああー!ああ!
うぉっほん!
義人……お前な……
その名前、みんなの前で
言うんじゃ無いよ……」
「そうだった……すまん……」
「何よ?そのルルって娘は
カーブの彼女!?」
「あちゃー聞かれてた!?
いや〜そんなんじゃ無いけど…
彼女とかそんな関係じゃ……」
カーブは義人を睨む。
「うふふふ、でも
このメンバーで旅行に行けたら
楽しくなりそうね♪」
「でしょ?リサもそう思うでしょ?
リサも絶対に行こうね〜♪」
「そうね♪行ってみたいわ」
リサは嬉しそうにも
淋しそうにも微笑む。
数日後
広報室長に呼び出される。
「二人にはこれから
私と一緒に
テレビ局に行ってもらうよ」
「テレビ局ですか?」
「うん
これからリサの存在を明かして
会社のイメージソングを歌う
歌手として
少しづつ披露していくからね
それでテレビ局なら
内もスポンサーとして
多額の広告費を払っているからね
こっちの思うように事が運べるのよ」
「なるほど……」
「今日はとりあえず
挨拶だけだから
その後は君たちに引き継ぐからね」
「分かりました!」
三人はリサを
ボイスレッスンへ連れていき
そのままテレビ局へと向かう。
テレビ局の担当との商談の中で
リサの存在をちらつかせ
引き継ぎをしていく。
午前中に二局済ませ
午後から三局廻る。
「義人…これで私達も
本当にマネージャーに
なった感じよね」
「そうだな!責任感が半端ないよ」
「テレビ局の人達は
興奮していたけど
まだお披露目出来る訳では無いし
これからどうなるのかしら?」
「また取締役会から指示が
あるんじゃないか?」
「そうよね!分からないことを
不安がっても仕方ないし!
考えないようにしよう!」