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下屋敷、魔羅の競り合い
【歴史物 官能小説】

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艶之進、気張る肉刀-5

「むろん、後ろの穴、肛門を攻めてもかまわぬ。そうあっても汚物など出ぬよう、蘭と凜は事前に腸(はらわた)を清めてある。遠慮会釈なく、随意にいたせ」

「ほう、これは準備のいいことで……」

「他に問うことはあるかな? 誰ぞ……」

 用人の視線を感じたが、艶之進は頭(かぶり)を振った。

 かくて、いよいよ三戦目開始。
 緋毛氈の上に二組の布団が向かい合うように敷かれ、男には帆柱丸、女には狂瀾丸が配られ、各々白湯で喉に流し込んだ。
 そして、蘭と凜がそれぞれ横たわると太鼓が打ち鳴らされた。すかさず力蔵が蘭にむしゃぶりつき、ゆかたびらをひん剝く。小夜之丞は布団の端に座り、まずは静かに見守るつもりらしい。
 一方、艶之進は凜に歩み寄ると「再戦じゃな」と笑いかけた。それに対し娘は気丈に笑い返した。

「こたびは半刻(約一時間)の間に幾度精液を放ってもよい決まり。ただし、わたくしがさほど逝かぬうちに、あなたの精液が枯渇してはつまらぬこと……。せいぜいお気張りあそばせ」

 艶之進がやや鼻白むと、二倫坊が大笑した。

「これは勝ち気な腰元じゃ。先程、見届け人から聞き出したところでは、この下屋敷一番の薙刀の使い手というではないか。おれと、あで之進、二本の肉の薙刀を相手にどう奮戦するか、これは楽しみだなあ」

 り組の三人がまだ裸になってもいないうちに、ら組の布団では力蔵が蘭の陰部に大きな手を押し当て、淫らな按摩を施していた。そして、端座の相棒を促した。

「おい、やさ男。てめえ、ぼーっとしてねえで手伝いやがれ」

 すると、小夜之丞はほのかに笑った。

「嫌ですね。まずは力蔵さん、あなたがとことん攻めてください。嵌めてください。そして、精根尽き果てたところで、あたしが交代してさしあげましょう」

「へっ、このおれ様が精根尽き果てるだとう? 笑わせるんじゃねえ。一発も漏らさずに半刻を乗り切ってみせるぜ。てめえの出る幕なんざねえ!」

「これだから阿呆はいやなんだ。二人掛かりが三戦目の条件。あたしが何にもしないと失格になっちまうじゃないか。……ま、よござんす。あなたが最後まで一人でまぐわう(交接する)つもりなら、あたしはこの手と口だけで参戦いたしましょう。それだけでも女はヒイヒイよがりますよ。かえってあんたの魔羅が邪魔なくらいさ」

「なんだとう?!」

 裏世界の親玉はギロリとやさ男を睨んだが、相手が動じなかったので、何やら毒突いてから、蘭への攻めを再開した。

 そして、艶之進組である。二倫坊は凜を仰向けに寝かせると、乳房や前門は艶之進に任せると言って、裏門を攻めようとしていた。

「おれぁ、こっちの穴のほうが好きなんだ。女陰の、襞全体でじわ〜っとくるまれる感じもいいがよう、肛門入り口の、ぎゅーっと絞られる感覚がたまらねえんだよな」

 言いながら、凜の両脚を開いて「まんぐり返し」の格好にさせると、唾液で湿らせた中指を凜の秘菊へ突っ込み、前後させ始めた。

「さすれば、拙者は女陰を……」

 言いかけて、艶之進は、ふと、凜のぷっくりとした唇に目が行った。血色がよく艶がある。刻限まで時はあるのだ。いきなり陰部を攻めることもあるまいと彼は思った。

「いや。まず、口吸いをいたすとしよう」

 身をかがめ、自らの唇を腰元の紅唇へと近づけた。凜は微かに逃れる素振りを見せたが、艶之進は片手で顎を押さえ、閉じた女の唇を吸った。凜が応えなかったので舌先で相手の唇の合わせ目をくすぐり始める。

「んっ……」

 凜が身体を縮めた。

『これはいかなること。女陰を攻めし時は、奔放に攻め返してきたものを……。もしかしたら、この女、唇が隠れたつぼ、急所なのか?』

 艶之進は凜の口に舌を差し込み、相手の舌裏を刺激してみた。

「んっ……、んんんっ……」

 身体をよじろうとしている。やはり口唇が弱いのか……。しかし、ここで艶之進は一人で攻めているのではないことに思い当たった。二倫坊が今、肛門をいじっているのだ。凜はそちらに反応していることも考えられる。が、

『ええい。ままよ。己が勘を信ずるまで……』

 艶之進は口吸いを続けることにした。

 一方、蘭の女陰をまさぐっていた力蔵は、繰り出すものを舐め技へと変更していた。湿った音をさせ、腰元の秘裂を舌でねぶり、時に、おさねを舌先で転がす。そして、膣口に指を入れ、女の泣き所(現代でいうGスポット)を攻める合わせ技を繰り出していた。

「あっ……ううううーーーん」

 蘭が甘く喘ぐ。凜とよく似た容姿だが、こちらのほうがいくらか「柔らかい」印象だった。酒でいえば凜は辛口、蘭はやや甘口、といったところだろうか。そんな女をもっと甘くとろけさせようと力蔵は攻め方を変えた。口はもっぱら、おさねを吸うことに専念し、入れた指でもって女の泣き所をさらにグッ、グッ、と押し始めたのだ。蘭の性感は募り、太い指の動きが粘り強く続くと、腰元の悦びは満ちていった。そして、

「うっ、……くくくっ……」

 腰が微かに震えて、軽くだが逝ったようだった。見届け人はこれを見逃さず、筆録の紙の右側に書かれた「ら組」の下に一の文字を書き入れた。

『くそぅ。三戦目の一番槍は力蔵か。こうしてはおれぬ』

 艶之進は唇から狙いを乳首へ移そうとした。が、ここでようやく凜が反応を見せた。向こうから柔らかい舌を差し入れてきたのだ。好機と見た艶之進はそれを吸い、自分の舌を絡ませた。凜はいつの間にかこちらの首に両腕を回している。そこで艶之進、舌同士の抱擁だけではなく、娘の歯茎、口蓋も舌先で刺激してやった。

「ううーーーん」


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