投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

捜査中に触られて〜電車編〜
【痴漢/痴女 官能小説】

捜査中に触られて〜電車編〜の最初へ 捜査中に触られて〜電車編〜 50 捜査中に触られて〜電車編〜 52 捜査中に触られて〜電車編〜の最後へ

大男と優男-1

『タッ、タッ』
『タッ』
『タッ、タッ』

と先ほどとは、違う銃声が聞こえる。咲良は、特殊急襲部隊の銃声だと判った。

『ぐぅ〜。』
『クソォ!』
『あぁ、痛え!』

などと男達の低い声がする。そして、

『制圧!』
『被疑者確保!』

の声があちこちからしてくる。階段の下から、

『奥山チーフ捜査官。』

と呼び掛けて来る声に、咲良は

『ここにいます。』

と言い立ち上がり、階段を降りて行く。階段を降りた踊り場に、フルフェイスヘルメットのカバーを上げ右手にサブマシンガンを持ち、全身防弾仕様作戦服に身を包んだ特殊急襲部隊の隊員がいた。

咲良は隊員の前に立ち、

『奥山です。』

名乗ると隊員は、

『特殊急襲部隊の隊長、織田です。』

と返し、

『被疑者8名を、確保しました。』
『確認と周辺捜索の協力をお願いしたい。』

と要請して来た。咲良は、

『了解です。』

と応じ、最初に武装グループと対面したA班を向かわせる。咲良はインカムで、

『NK保護担当、聞こえる?』

と言うとすぐに、

『聞こえます、チーフ。』

と返事が来た。咲良は、

『NKと一緒に下に降りて来て。』
『私が、途中まで迎えに行くわ。』

と伝える。保護担当は、

『了解。直ちにNKと共に降ります!』

と言って来る。咲良は、B班の部下達に

『B班も、周辺捜索をお願い!』

と指示する。


桜井は、いきなり咲良に面会を申し込もうとしていた。

【青筋立てて怒りそうだな。】

と笑いながら本部入口の近くに来ると、慌ただしく職員が出入りして、何か有ったんだなと判った。職員が、また出て来て電話が掛かり話しているのが聞こえた。

『父さんか、今忙しいんだ。切るよ。』
『えっ、ニュースでやってる?』
『俺は、無事だよ。』
『咲良?』
『うーん、分かった、分かった、話すよ。』
『そのビルに咲良のチームが居るんだ。』
『大きな声出すなよ。』
『ああ、中には入れないが、様子見て来る。』

そう言うと、その職員は小走りで横断歩道を渡る。桜井は、その職員の後を追っていた。桜井は、その職員の後を追い6ブロック進むと、規制線が貼られ大勢の野次馬が詰めけている場所に着いた。

拡声器で危険だから、ここから離れる様呼び掛けるが、人は集まる一方だ。桜井は近くの初老の男性に、

『何が有ったんですか?』

と聞いてみた。その男性は、

『撃ち合いしてるって、自動小銃まで使ってるって話しだ。』
『中にいる捜査官達とやりあってるらしい。』
『でも流れ弾が危ないからって、撃ち合いしてるビルは、大分先だよ。』
『アメリカ並みになって来たな日本も。』

と教えてくれた。桜井は、スマホでニュースを見ると動画でそのビルが映っていた。

【知ってるビルだ!】

そう思いながら桜井は、その場を離れた。


咲良は、階段を上がりながら

【部下達に負傷者が出なくて良かった。】

と心底ホツとしていた。まさか、相手が捜査官相手に銃撃戦を仕掛け自動小銃まで持ち出すとは。あの内部告発者の女性に聞きたい事が有った。3階から4階への階段を上がっていると突然、声が聞こえて来る

『何するのよ!』

あの女性の声だ。

『大きな声を出すな、殺すぞ。』

と聞き覚えの無い声が脅している。咲良は、拳銃を取り出し構える。足音を立てない様に階段を進み、覗くと階段近くの廊下で大きな男がこちらに背を向け拳銃を構えている。

聞こえてきた様子から大男が拳銃を向けているのは、内部告発者の女性だろう。咲良は、大男に拳銃を向け

『動くな!』
『拳銃を下に置け!』

と言いながら階段から廊下に上がる。大男は、拳銃を構えたままで咲良の指示に従わない。咲良が、もう一度警告しようした瞬間、

『お前こそ動くな!』

と咲良の右斜め後方より声がして拳銃を構えた男が近づいて来た。咲良は、

【しまった、他に仲間がいたのか?】

とNKの女性が脅され焦った自分のミスだと思った。近づいてくる男は、30才位の175cm位の肩口まで髪を伸ばしたロン毛の優男だった。優男は咲良から拳銃を取り上げ、自分の上着のポケットに入れる。大男が、

『済まねぇ、兄貴。』

と優男に謝る。近くで見ると2Mに届きそうな背丈で、横幅も有り桜井よりひと回り大きい様に見える、スポーツ刈りで20才位の未だ若い男だ。優男は、

『オメェは、周りに気配れって何回言ったら解るんだよ!』

と大男を叱る。大男は、ペコペコ頭を下げている。咲良は、大男の近くで立っている内部告発者の女性と、そのすぐ斜め後ろでうつ伏せで寝ていて動かない女性の保護担当の捜査官が見えた。

咲良が思わず、その捜査官の方に駆け寄ろうとすると

『動くな!』

優男が拳銃を向け警告する。咲良は、

『安否の確認がしたいだけ、お願い!』

と頼む。優男は顎をしゃくって了解を示した。咲良は、倒れている捜査官の側に近づき脈を取る。

【良かった!生きてる。】

と安堵し、頭に血が付いているのでハンカチを当てる。出血は、幸い止まっている様だ。NKの女性が、

『こいつが、後ろから殴ったのよ!』

大男を指差しながら言う。咲良は、

『外は、捜査官で一杯よ。自首なさい!』
『逃げ切れないわ!』

と説得する。優男は、

『知ってるさ。』
『目当ての物が手に入ったらオサラバするよ。』

と答え、NKの女性に

『愛梨、さっさとSDカード寄こせ!』

と怒鳴り、内部告発者、愛梨に拳銃を向ける。


捜査中に触られて〜電車編〜の最初へ 捜査中に触られて〜電車編〜 50 捜査中に触られて〜電車編〜 52 捜査中に触られて〜電車編〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前