男たちの餌食-5
「おや、やっぱり香澄さんは感度がいいね。一目見た時からそう思っていたんだよ。
あんたもかなりの好きものだってね。
征爾の妻、そう、麗子も昔から淫乱な女だった。
でも、あんたもあいつに負けていないな。」
(麗子も昔から?この田辺っていう男、麗子の若い頃も知ってるっていうこと?)
田辺はしゃがみ込みそうになる香澄の身体を支え、軽く抱き寄せると、
今度は舌先による愛撫を開始した。
ナメクジのような見知らぬ男の舌が香澄の全身を這い回る。
香澄は全身が身震いするような嫌悪感を感じながら、
必死に身体をよじり顔をそむけた。
しかし田辺は薄笑いを浮かべながら香澄の身体を弄り、舐め回していく。
いつの間にか、香澄の身体から次第に力が抜け、
田辺の動きに反抗する動きも弱くなった。
(???)
気が付くと、香澄の股間から大量の液体が漏れていた。
(失禁?なんで?尿意なんて全くなかったのに……。)
というよりも、香澄は、自分の太腿が濡れてくるまで、
自分が失禁していたことに気づいていなかった。
(わたし、一体どうしちゃったんだろう……。)
香澄が声にならない声をあげながら慌てていると、田辺が冷たく言い放った。
「どうだい?オレの舌による愛撫は。
たいていの女は、あんたみたいに、無意識のうちに失禁してしまうのさ。
ここにいる女たちも、あんたが来る前に床を濡らしたんだ。
な?麗子?」
田辺に呼びかけられた麗子が下を向いたまま何も言わないのは図星だったからだろう。
紗理奈も美奈子も、同じように反応はなかった。
「ところであんたはこの家のものとずいぶん親しいみたいだが。どういう関係だ?」
「この家の人との関係?」
「香澄。話す必要は、ないわ。あ、あなたには全く、う、う、
関係のないことなんだから。あ、ああ。」
麗子が礼二の突きに耐えながら香澄を制した。
「麗子さんよ。だけど香澄さんの顔はそうは言ってねえみたいだぜ。
さっきからあんたたちのことを心配そうな目で見ているし。
オレを睨みつける目の鋭さも、征爾の話をしてから一段と鋭くなった。
征爾の薬に関しても、何か知ってるんじゃないのかい?」
「か、香澄は、香澄さんは、ただの……。」
麗子が言いかけた時、香澄が叫んだ。
「そうよ。わたしはこの家の人間じゃないけれど、
征爾さんはじめ麗子さんにも紗理奈さんにも、美奈子さんにも、
息子さんにも、とてもよくしてもらっている。
親しいとかいう言葉じゃ表せないくらいに深いつながりを持っているわ。」
「ほう。正直な女だな、あんたは。」
田辺は穴あきブラの穴から飛び出している乳首を指先で転がしながら言った。
「それほど深いつながりを持っているなら、
あんたにも麗子たちと同じ思いをしてもらわなきゃいけねえな。」
「……。」
「思う存分に犯してやるっていうことだよ。
レイプ被害者の仲間入りをさせてやるって言ってるんだ。
「……。」
「ただなぁ。あの美奈子ことだけどな。
実は、さっきから心配になってきてなあ。」
そう言う田村は本当に心配そうな顔をした。
「見てみろ。さっきと比べて目つきが変わっている。
一心不乱にあのバイブでオナっていて、連続的に絶頂を迎えたいるはずだ。
それなのに、もうそれじゃあ我慢できない、物足りないという顔をしているだろ?
お前、見ていてそうは思わないか?」
「……。」
「そうか。まあ、いい。」
田辺は香澄の両腕をぎゅっと握ると、そのまま美奈子の近くへと押していく。
「ほら、見てみろ。お前が近づいても見向きもしない。
あの目、あの表情。普通じゃねえと思わないか?」
田辺に言われるまでもなく、美奈子の表情は異常だった。
ただ、香澄は美奈子とそれほど深くは触れあっていない。
どの程度の状況なのか、何を考えているのかは推し量ることはできなかった。
「実はこの家に来た時、オレたちはさっきも言った征爾が作った薬を使った。
この家には3人の女がいるということは事前に分かっていたから、
オレたちはそれぞれが3人分、薬を持っていた。
家に入ってきて一番最初に出くわした女に薬を使うという計画でな。
まず、玄関先で礼二が美奈子に出くわし、羽交い絞めにして薬を飲ませた。
普通ならいきなり羽交い絞めにした時点で、何かしら異常を感じるもんだ。
ところが美奈子は薬を飲まされたに礼二の後に付いて行ったんだ。
あとから来た大輔は、美奈子が礼二の後ろをつけていると思い込んだ。
だから後ろから美奈子にしがみついて薬を飲ませた。
オレが別の部屋で麗子と紗理奈に薬を飲ませてキッチンに行くと、美奈子がいた。
〔あ、お客さんだ。どちら様ですか?〕
そんな普通のセリフを吐く美奈子を見て、オレは、
美奈子にはまだ薬が与えられていないものと思って薬を飲ませた。
結果的に美奈子は、通常の3倍量の薬を飲んだってことだ。
ただでさえ効き目の強い試作品だ。
その3倍量を飲んだ結果があれさ。
さっきから果てしない快感が全身を襲い、何度も何度も絶頂に達している。
それでも快感の波が次から次へと襲ってきている。あの状態が続けば……。」
「どうなるというの?」
「さっきも言ったとおりだ。
物足りなくなってとんでもないものを突き刺してしまうか、
絶頂の連続に心臓が耐えられなくなるか……。」
田辺は顔色一つ変えず最悪の予想を口にした。