思わぬ申し出-2
咲良も何とかホームに出た頃には、被疑者達の方が部下達より早くホームに出て咲良と反対方向に行こうとしている。
『逃げられるぞ!』
突然横から声がした、スキンヘッドだ。続けて、
『何とかしてやろうか?』
と言う。咲良は思わず、
『どうやって?』
と聞いた。スキンヘッドは、
『あんたが言う事を聞くなら協力してやる。』
と答える。咲良が途惑っていると、スキンベッドは
『間に合わなくなる、どうする?』
とたたみ掛けてくる。咲良は、
『分かったわ、お願い!』
と頼んだ。スキンヘッドは、
『約束だからな。』
と言い、小声で話し始める。スキンヘッドもインカムを持っていたのだ。被疑者達を見るとホームを走り出していた。先頭のブルーの上着の男が転ぶ、誰かが足を出して引っ掛けた様に見えた。
黒カバンの男が誰かにぶつかって倒れた、2人共立ち上がり走り出そうとした時、3人の乗客が前に立ち塞がる。そうしてる間に、部下達が追い付き被疑者達を組み伏せる。
『1週間後の今の時間、このホームのこの場所に一人で来い!』
とスキンベッドが言う、
『約束、守れよ。』
そう続けながら去って行った。