放たれた欲望の果てに-2
「それでいい、と?」
「えっ?」
「いえ。それだけで、いい、と?」
「香澄。それ以上のもの、それ以外のもの、に、なにがある?
もちろん、愛情の表現としてのセックスを、
僕は価値がないとか認めないと言っているんじゃない。
けれど君は、今、わたしに抱かれながら、何を求めていたんだい?
いや、それは、雅和さんにも、麗子にも、同じ質問をしよう。
君たちは、今、相手に何を求めてセックスをしていたんだい?」
「あなた。わたしは……。香澄さんよりも、感じる女でいたかった。
それだけ、かもしれないわ。」
「そうか。で?それはどうだったんだい?実際問題として。」
「わたし?そうね。わたしは……。今、誰よりも、感じた。そう確信しているわ。」
「香澄、よりも、かい?」
「……。ええ。そうね。わたしは、今、香澄さんよりも、
遥かに深くって、遥かに気持ちのいい、絶頂を、頂上を、感じたわ。」
まだヒクヒクと痙攣を続ける自分の身体に戸惑いつつ、香澄が答えた。
「でも、わたしの中には、まだまだ、もっともっと、を求める自分がいるの。」
「香澄。あなた、これだけのことをされていて、まだ満足していないってこと?」
「ええ。麗子、さん。そうなの。わたし、まだまだ、満足できないでいるのよ。
雅和が何をしようとも、征爾さんが何をしてくれようとも、
わたしの身体の奥の方で、まだまだ満足できない、何かがいるの。」
「ねえ、ホント?本当に、まだまだ満足できないの?」
「ごめんなさいね。麗子さん。
あなたのご主人の征爾さんが物足りないとか、そういうことじゃ全くないのよ。
ただ、わたしは、もっと先を見たいだけ、なの。
もっともっと、新しい世界を見たいだけなのよ。」
見ると、子どもたちのベッドには誰もいなかった。
おそらくは、もっと自由な、もっと刺激的な空間を求めて、移動したのかもしれない。
「誰かに見られたい。それとも、誰にも見られたくない。
どちらの感情に、子どもたちは動かされたのだろうね。」
征爾の言葉に、香澄が思いのほか、軽い口調で答えた。
「どっちでもいいんじゃないですか?
あの子たち、今が楽しければ、それでもう十分なんだと思います。」
「じゃあ、ぼくたちも、もう誰にも遠慮せずに、楽しむことにしよう。」
「ええ。ねえ、二組の夫婦がいて、いつもと違う相手とのセックスを堪能したら、
次にすることって何かしら?」
「何かしらと問われても、何か決まりごとがあるわけじゃない。
それこそ、思うままにすればいいんじゃないのかい?」
「ええ。それは確かにそうなんだけど。わたし自身の欲求を優先したら、
結局は独占したくなちゃうの。」
「ボクと雅和さん、二人を一人で、ってことかい?」
「ええ。それが正直な気持ち。でも、それって、麗子も同じよね?」
「ええ。もちろんよ。互いにパートナーを交換して、
嫉妬にまみれながらのセックスを堪能したら、
わざわざいつものパートナーに戻ることもないわ。
確かに、征爾に抱かれることで愛情を再確認したいという思いもあるけれど、
わたしはそれよりも現状を最も楽しめる方法を選ぶタイプ。
この場で征爾の愛を求めているわけじゃないのも。
だから、香澄とおんなじで、二人の男を、ううん。2本のペニスを独占したいわ。」
「やれやれ。困った女どもだな。どうする?雅和さん。」
「香澄も2本味わいたい。麗子も2本味わいたい。
だったらそれを叶えてあげるのが男の務め、でしょ?征爾さん。」
「ってことは?」
「ええ。男2人で女どもを十分に楽しませてやりましょう。」
「雅和さんからそんな積極的な言葉が出るとは意外というか……。」
「征爾さん。ボクも、ようやく本領発揮、と言ったところなんですよ。
お互いに何の遠慮もいらないということが分かったんだから。
楽しまなきゃ損じゃないですか。限られた時間。一度きりの人生。」
「なるほど。じゃあ、2人で……。」
雅和と征爾は互いに頷くと、雅和は香澄の、征爾は麗子の腕を引き寄せ、
その身体を締め付けるほどに強く抱きしめた。
「香澄。オレ以外の男のに抱かれてあんなに喘ぎ声をあげながらいってしまうなんて、
なんてドスケベで淫乱な女なんだ。
ここからは嫉妬に狂った亭主の反撃だよ。」
「麗子。雅和さんの前で何度このオマ〇コを開いて見せた?
ほら、立ったまま抱いてると、奥の方から雅和さんのザーメンが垂れてくるぞ。
ほら、こうしてクリトリスを捏ね繰り回すには、ちょうどいい潤滑油だ。」
「香澄。君のオマ〇コから溢れ出た征爾さんのザーメンが太腿を伝って落ちそうだ。
ほら、こうして掬い取って、麗子さんと同じようにしてあげようね。」
香澄と麗子は股間から溢れ出てくるザーメンをクリトリスに擦り付けられ、
身体を震わせ始めた。
「あ、ああ。ねえ、あなた。あなたが触っているのは、雅和さんのザーメンよ。」
「ああそうだ。ボクの目の前で雅和さんに抱かれ、
たっぷりとオマ〇コの奥の方に出してもらった、雅和さんのザーメンだ。
そんなザーメンで、夫にクリトリスを捏ね繰り回される気持ちはどんなだい?」
「ああ、いけないわ。ねえ、あなたのザーメンで、捏ね繰り回されたい。
わたしは、征爾さんだけよ。」
「麗子。無理しなくていいんだよ?ほら見てごらん。
香澄さんも、君と同じように、夫ではない男のザーメン、
そう、ボクのザーメンを股間から溢れさせ、
それを雅和さんに塗りたくられ、捏ね繰り回されている。
歓喜の声をあげながらね。」