悲しい知らせ-1
2月27日早朝6時ごろ、我が家の呼び鈴が鳴り、玄関のドアをドンドンと叩く音がした。俺が扉を開けると、真っ赤に泣き腫らした瞼のジャッキーがいた。
“What’s the matter with you, honey? Tell me what happed? (ジャッキー、どうしたの?何があったの?)”
“Daddy got killed in action. I got a call from the Pentagon in small hours today. (パパが戦死したという連絡が、深夜に国防総省からあったの。)”
“Come on in. It’s cold out there. (寒いから中に入って。)”
丁度、その前日から両親は親会社の自動車メーカーの幹部の接待で、バハカリフォルニア半島先端のリゾート地、Los Cabos へ行っていて留守だった。
“I’m really ..... scared. Give me a big hug.(わたし、怖いの。。。ギュってして。)”
俺はジャッキーを抱きしめ、彼女にキスをした。それから、ジャッキーをカウチに座らせて、ホットチョコレートを作って、飲ませてた。
“I’m frightened that my world is crumbling down.... My whole life is coming apart. Our family life has revolved around my daddy all along, and now he’s gone. (わたしの世界がガラガラ音を立てて崩れていくと思うと怖いの。私の全人生がバラバラに崩壊してしまうの。。。わたしたちの家族の暮らしは、これまでずっとパパを中心に回ってきたわ。それなのに、そのパパはもういなくなってしまったの。)”と言ってジャッキーは身を震わせて泣いた。
“Jackie, it’s all right. I’ll always stay close to you, honey.(ジャッキー、大丈夫だよ。これからは、ぼくがずっとジャッキーの側にいるからね。)”と俺は言って、背中からジャッキーを抱きすくめた。
その日は、俺たち2人は、学校に病欠の連絡を入れて、1日中、俺のベッドの中で愛しあった。ジャッキーの心の隙間を少しでも埋めたくて。