夜這い-1
夏の夜風が庭の草花を揺らす音がさわさわすと浴室の小窓から熱気は抜け裸体に心地よい空気が流れた。
暗闇の浴室の明かりを見つめる影が動いた。
浴室から少し離れた所に太いモチノキが生えている、枝も太く影は身軽に木に登ると首に掛けられた双眼鏡を取り明かりに照準を合わせた。
静枝の裸体が手に取るまでに拡大された。
浴室の鏡に向かって腰掛け体を洗う姿が丸見えである、やや背後から覗く視線であるが豊かな胸の膨らみや腰から臀部のラインがエロく見えるのである。
(相変わらず男をそそる体だよ義母さん)
家を抜け出た樹である。
静枝に拒否されて益々感情を抑えきれないで車を走らせたのである。
引っ越しで一度だけ荷物を運んできて以来久しぶりである、ましてや夜中の暗闇の中である。
しかし樹は周到である、こんな時に備えおおよその部屋や周辺の庭なども地図にしたためていたのである。
そんな事も知らない静枝は窓を開けて入浴し鍵も掛けないでいたのであった。
風呂からあがるともう11時を過ぎていた。
冷たい水を飲み干すと寝室に入った。
鏡台に映した顔を入念にクリームを刷り込んでから床に就いた。
火照る体はタオルケット一枚でで十分である。
寝室の明かりが消えて寝静まったと思われる時間を見図って樹は忍び込んだ。
顔を女性用のタイツで覆うとまるで異様な面相での侵入である。
部屋の襖を開けると豆灯の薄明るい部屋に躊躇しながら足を忍ばせた。
寝息とともにタオルケットで身を包んだ胸はかすかに膨らみ息遣いを感じた。
タオルケットを静かに剥がして寝顔をまじまじと見つめる。
浴衣の胸元から発せられる甘い体臭が樹を誘い思わずかたずを呑んだ。
樹の手が伸びた・・・腰ひもに手をかけ解いて静かに胸元を開いた。
薄い下着から覗く豊満な乳房が膨らみ乳首がうかがえる、樹はノーブラの下着の上から軽く含んだ。
「ううん・・・」 静枝の吐息を漏らしたが気づいていない。浴衣の裾を開けショーツに手を伸ばし指をかけた時だった。
静枝はハッとしたように目を覚ました。
目の前の異様な面相の男を見て驚き、硬直して声も出ないほどである。
「おとなしくしろ」
どすのきいた声に覆面の歪んだ顔の男の声がまさか樹だとは気づく事はなかった。
「何なさるの」
「さあ、下のものを獲れ」
「・・・・」
震える肉体から樹はショーツ引き下ろした。
「困ります」
露わになった巨尻を必死に浴衣の裾で隠そうとする手を払いのけた。
豊満な肉体が豆電球の明かりに照らされている。
「奥さん凄い体ですね、お尻といいオッパイといい申し分ないですね」
尻から腿へ手を這わせた。
樹はタイツのタイツ覆面の口元を指で破った。
「何なさるんですか、困ります」
静枝を倒して乳房に顔を埋めた。
「ああ・・やめて」
(*´ε`*)チュッチュ
(義母さん、あんたの喜ぶツボは心得ていますよ、楽しんでください)
「ああ・・・」
樹の舌は乳房から脇、下腹部へと這いまわり性感帯を刺激してゆく。
久しぶりの快感が静枝を襲う、ガクガクと体が震え思わず喘ぎ声を漏らした。
(どうだこの悶えよう、義母さん鏡台に映る自身の顔を見てください、ほら)
静枝を起こし背後から乳房をいたぶる姿を見せた。
変容した男の容赦ない愛撫に静枝は汗をじっとり流していた。
「奥さんそろそろ繋がりましょうか」
ふと漏らした声が静枝の聞き覚えのある声だときずいた。
「あなたは、樹さん・・・」
樹はハッとした、覆面の口元を開けて生の声を聞かれたのである。
「樹さんよして、ダメよお願い・・」
静枝は抵抗して見せたが、樹は静枝を布団に抑え込んで強引に唇を寄せて口を塞いだ。
「ウ・・ウム」
重なり合った姿勢から背後に回り両腿に足を割り込ませた樹はベルト外して硬くなったペニスを潜り入れようとした。
「樹さんやめて、もうお願い」
腿の間に割り込む膝の力に押され緩んだ隙間
「ううう・・・」
「ああ〜・・・・」
壺に入り込んだ瞬間である。
あれほどもう二度と過ちをを犯すことはしないと誓った静枝だったが樹に屈したのだった。
グイグイと腰を入れる樹、受け入れざるをえない姿勢で呑み込んでゆく壺。
「ようやく繋がりましたね、うれしいです」
憎い樹の声がした。
「さあ今度は騎乗位でやりましょう」
樹は静枝の腕を取り腹上に乗せた。
見上げると乳房が顔に迫っていた。
「さあ腰を使ってください」
静枝は無言で指示されたように前後に腰を動かした。
「そうです」
「ああ〜・・・・」
「下からも攻めますよ」
「ああ・・・い、逝く〜」
その夜の明け方、若い男が静枝の部屋から出てゆく姿を矢野は見た。
(あの男は・・・まさか・・・・)