華恋-1
俺はまだジェニファーがいなくなってしまったことが信じられず、中学に入学した後も、俺はジェニファーの面影を探して、名大や南山大界隈など名古屋の外国人がいそうな大学街や錦3丁目と言った繁華街をあてどもなく歩き回った。そして、あの白い滑らかなおっぱいの味が恋しくて、彼女の形見の黒いブラの匂いを嗅ぎながら、狂おしくマスターベーションに耽った。
自分ではあまり意識していなかったが、俺の部屋にはオナニーで放出した精液の臭気が充満していた。その臭いやティッシュの消費速度の速さ、俺の低迷する学校の成績や低身長が全てリンクしていると考えた母親は俺を心療内科に連れて行った。何度かその病院に通院するうちに、俺のカウンセリングをしてくれた看護婦と親しくなった。
彼女は謝花華恋(じゃはなかれん)と言って、看護学校を出たての沖縄出身の陽気な20歳の女だった。華恋は整った顔直ちでスタイルも良かった。瞳の虹彩は、ヘイゼルナッツのように灰色がかった憂いを帯び、その長身のプロポーションは日本人離れしていた。ある日、カウンセリングセッションで、人には言えない隠し事の話題になったとき、彼女は「コウくん(俺の名前)の秘密って何?」と無邪気な少女のような口調で単刀直入に俺に尋ねた。「そんなの例えあったとしても話せないよ」と俺が抗議すると、「じゃあ、あたしの秘密を教えてあげるから、それと引き換えにコウくんの秘密を教えて」と彼女は持ち掛けた。