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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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最後の迷い-1

「ところで香澄さん。
 真奈美ちゃんが隣の部屋に言ってから、
 つまり、あなたのご亭主の前に出てからずいぶん時間がたちますが、
 ご主人も真奈美ちゃんも、奥様がいつまでもいらっしゃらないことを、
 そろそろ心配しだすころではありませんか? 」
「そう言えば、ずいぶん時間をかけてしまいました。」
香澄は自分の決心が揺らいだことを征爾に詫びた。

「いえ。わたしたちは構わないのです。
 ただ、真奈美ちゃんと潤一君のセックスを目の前で見せつけられたご主人が、
 興奮のあまりに娘さんを襲っている、とか。
 いや、これは冗談にしても失礼でしたかな?」

香澄は征爾が話すのを全く表情を変えずにただ聞いているようだった。
「香澄さん。ご主人と真奈美ちゃんの仲はいかがでしたか?
 真奈美ちゃんはわたしが見たところ、お父さんっ子と言うよりも、
 ファザーコンプレックスの傾向があるように思います。
 それはわたしに対する態度や行動からしても十分に想像できることです。」
「ええ。確かにおっしゃる通りです。」
「真奈美ちゃんの無邪気さ、そしてそれと全く逆の、成熟した女の色気、
 そんな真奈美ちゃんの生々しい、色気たっぷりのセックスを目の前で見せられて、
 欲情しない男はまずいないでしょう。」

「自分の娘ながら、あの年齢で、あの色気。そしてあのテクニック。
 わたしが夫なら、我慢できずに襲いかかっているかもしれません。」
香澄は自嘲交じりに言った。

「香澄さん。ご主人は実の娘に手を出すような人間ではない、
 と信じてらっしゃいますか?
 さっき、紗理奈が教えてくれました。
 わたしがこちらに来てから紗理奈と二人きりになられたご主人は、
 紗理奈の中にもう何度も中出しをされたそうですよ。
 それでもご主人はまだまだ欲求不満状態だと紗理奈は喜んでいました。
 禁欲生活を強いられ、女の身体に飢えた男が、
 目の前に若く魅力的で、しかも淫らな女の身体があったとしたら、
 我慢できるはず、ありませんよね。」

「…………。」
「実の娘に手を出す父親などいるはずはない。
 今日まであなたはそう思って生きていらした。
 でも、おそらく今はそうは思っていない。
 わたしたち家族は、父親と娘、息子と母親、姉と弟、
 お互いを性の対象として常に意識し、身体の成長を待って身体を重ねて来ました。
 それが男と女の、性に対する一番自然で一番本能的で、
 一番抑圧のない状態だからです。
 あなたのご主人は今、わたしの話と紗理奈とのかかわりの中で、
 セックスは家族間においても最高のコミュニケーションツールだということを、
 心の底から理解してくださっています。
 それは真奈美ちゃんも同じです。
 そのベースに立って考えれば、
 真奈美ちゃんはお父さんと、今まで以上にもっと仲良くなりたいと思う。
 ご主人にとっては、目の前で男と交わっている女がたとえ娘だとしても、
 仮に真奈美ちゃんからの誘いがあった時に、
 それを拒み続けることができるとお思いですか?」

「おっしゃる通りだだと思います。
 主人から誘うことはないとは思いますが、真奈美が誘う可能性は高い気がします。
 だからこそ、心配なんです。ああ、早く……。」
「 早く、なんですか?」
「真奈美のそばに行かないと。」
「やはり心配になってきましたか。」

香澄は落ち着かない様子を露わにしだした。
「ええ。征爾さんに言われているうちにふと心配になってきました。」
「やはり真奈美ちゃんのことが心配になりましたか?」
「いえ、心配なのは主人の方です。」
「真奈美ちゃんの気持ちを考えずに、真奈美ちゃんを襲っている、と?」
「いいえ、そんなことをする人じゃないから、余計心配なんです。」
「?、と言いますと?」
「あの人、考えすぎて、先回りしてしまうところがあって。
 もしも、真奈美を抱くような状況になったとしても……。」

征爾は香澄の肩を抱き寄せながらそっと言った。
「父親であることを忘れて真奈美ちゃんを悲しませるようなことをしてしまう?」
「ええ。そんな気がするんです。」
「でも、そんなご主人には見えませんでしたが。」
征爾は雅和との話を思い出しながら言った。

敏明のことを依頼した時の冷静な分析や態度。
いくら真奈美が拒んだとしても、実の娘を乱暴に扱うようには思えなった。

「いえ、うちの人、そういうところがあるんです。もしも、そうならば……。
 いえ、おそらく、もうそうなっているだろうと思っています。だから、早く……。」
「早く助けに行きたい、と?」
「はい。真奈美を助けてあげないと。」

香澄の様子に、征爾自身も急に心配になり始めた。
「力づくでも止めるようなことも考えた方がよいでしょうか?」
征爾はある種の覚悟を持って、香澄に言った。


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