キャバクラトークの取調べ-6
若菜はわざとセクシーに足を組み替える。スカートが少しずり上がりフトモモの露出が広くなると、北村はついそこに目を奪われてしまう。
「ま、名前がバレたからと言ってどうって事はない。いずれバレる事だしな。」
そう言って自らの気持ちを落ち着かせる北村。しかし微妙に貧乏ゆすりをしている所を見るとまだまだ平常心には戻れていないようだ。無言で微笑しながら見つめて来る若菜に居心地が悪そうだ。髪をかき上げた首筋をかいたり落ち着かない様子の北村。若菜には滑稽に見える。そんな嫌な空気を嫌った北村は、散々馬鹿にされた仕返しをする。
「しかし楽しかったなー。一回ヤッてみたかったんだよ、女を刑事のマンコに拳銃突っ込むの!メチャクチャ興奮したよ!ハハハ!」
高笑いする北村に、華英の胸が激しく鼓動する。
(アイツだったんだ…)
自分のプライドをズタズタに切り裂いた男が北村であると知った。華英が震え始めたのは怒りからではなく怖さからであった。体が勝手に震えて止まらなかった。
「オシッコまで漏らしてたまんなかったよ!巷で有名な女刑事もたいした事なかったなー。もう少しでヤれたのに残念だったよ。」
そう言ってニヤニヤしながら若菜を見る。若菜は流石に怒りを隠し切れなかった。憎しみが込み上げる。出来れば今すぐ頭を撃ち抜きたいぐらいだ。しかし何とか抑えた。
「輝樹の下っ端のくせして調子に乗りすぎね?」
「誰があんな奴の下っ端だよ!俺らは健司さんに使えてるだけで輝樹なんかに使える気はサラサラねーし!あいつは健司さんのおこぼれにたかってるハイエナだ。仲間なんかじゃねーし!」
「あら?おかしいわね…。輝樹くんは逆に北村くんが自分のおこぼれを貰ってるハイエナだって言ってたけど??」
「誰がアイツのおこぼれもらってんだよ!?あのクソ野郎!健司さんから譲り受けたブツのおかげで金を稼いでるだけのインチキ野郎のくせさてよ!」
「どっちどっちね。」
「一緒にすんじゃねー!!」
北村は若菜のハッタリにまんまと乗ってしまいついつい情報を口にしてしまう。身柄を拘束した男達のリーダーは健司だと言う事が分かったし、加えて大量の違法薬物をなんらかの方法で手に入れ、それを輝樹が売り捌いている事が分かった。北村はこの中途半端なところでまた取調べを終える。
「そー言えばもう一つ言ってたわ?北村くんは…、あ、やっぱやめとこ。これ言ったらさらに怒らせちゃうから♪」
「あ??ヤツは何て言ったんだよ!オイ!!オイ!!」
北村は興奮しながら独房へと連れて行かれた。
「フフフ、これで次の取調べの時には輝樹の情報をペラペラ喋ってくれそうね♪」
次々と容疑者達の絆を切り裂いていく術中にハメていく若菜であった。