ヒーロー-3
華英は喉元を掴まれた。息が出来ない華英の攻撃力は限りなく0になる。そこへ1人加わり背後から羽交い締めを受ける。やはり力強い。華英は身動きが取れなくなった。
「どんな負け惜しみを言うのか聞けないのもつまらないからなぁ。」
そう言って喉から手を外した。
「ゲホゲホ…!ハァハァ、ハァハァ」
酸素が一気に吸入され咳込む華英。覆面パトカー達はニヤニヤ見つめていた。
「無敵の女刑事さんも大したことないないなぁ?へへへ」
世間ではマギーとの最強コンビで、男でさえ敵う相手はいないと評判の華英だ。しかし何の抵抗も出来ずにレイプ犯達に捕まってしまった。華英は自分の無力さに腹が立つ。
「さてストリップショーの始まりだ。って言っても脱がすのはタンクトップぐらいだけどな?くくく」
覆面男達は相変わらず余裕だ。むしろ初めから負ける気がしていない様子だ。それがまた悔しくて仕方がなかった。
「普通に脱がすのもいいが…、やっぱこうしないとなぁ…」
覆面男はタンクトップの胸元を両手で掴む。
「や、やめて!!」
「フフフ」
覆面男はタンクトップを思い切り引き裂いた。
「きゃあ!」
目を閉じる華英。聞こえて来たのは覆面男達の喜びの声であった。
「おおっ!いいおっぱいだ!」
「すぐピンピンになる乳首!」
「噛みてぇ…!」
自分の胸を見て色めき立つ覆面男達を睨む華英。
「いい目だ…たまんねぇ。」
そう言って力任せにタンクトップを破り、華英の体から剥ぎ取った。とうとうサンダル以外、全裸にされてしまった華英。男達の視線が忌々しい。
「いいカラダしてんなー!」
男達は一斉にスマホで写真を撮り始めた。
「撮らないで!!」
暴れる華英だが、羽交い締めは全くビクともしなかった。
「いいかー!まだネットに流すなよー!?こいつのヌードを流出させんのが目的じゃないからな!分かってるよな??」
リーダー格の男が釘を刺す。意味ありげな言葉をわざと華英に聞こえるように言ったように思えた。きっと自分のヌードを何かの材料にするのだと思った。いつまでも続くシャッター音が華英には恐ろしく響く。
「じゃあ1人1分だ。順番で好きに触れ。」
「しゃー!」
盛り上がる男達。
「な、何なのよ!ふざないでよっ!!」
そう叫ぶ華英だが、男達は全く気にせずに順番のジャンケンをしていた。順番が決まり、1番目の男がニヤニヤしながら寄って来た。
「これが噂のツインガンの片割れか。へー、近くで見ると更に可愛いなぁ。」
忌々しい覆面顔を寄せる。
「息…臭いし!!」
そう言って睨みつける華英。しかし覆面男は動じない。
「じゃあ華英ちゃんの口でリフレッシュしようかな。」
そう言って強引に唇を奪って来た。
「んんん…!!」
美人刑事とのキスに興奮し、いつまでもキスをしていた為、1分が過ぎてしまった。
「しまったー!!」
ペース配分を間違えて頭を抱える男は、すごすごと華英から離れて行った。