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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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未来・上原詩乃-3

 便意を催した俺はトイレに立ち、個室で踏ん張っていた。
 終わって出ようとすると、外の小便器を使っている男客の会話が耳に入った。
「マジでイカれてるよな」
「妊婦のほう超可愛くね? 腹ボテ女とかいっぺん試してみてえんだけど」
 囁き声が好色な響きを帯びている。未来も詩乃も乗りすぎて声のトーン落とすの忘れてたおかげで、他の席の客に丸聞こえだったようだ。
「ハイどーも。そのイカれたヤリマン妊婦の亭主ですけど」
 俺は勢いよくドアを開け、こそこそ話の野郎二人にご挨拶した。
 見たところ社会人らしい年頃、といっても俺と変わらない二十代半ばから後半という、地味な感じの男だ。
 ビビって小便が止まったのか、情けない排尿スタイルで硬直する二人に、俺は余裕たっぷり微笑んで言ってやった。
「嫁とヤリたいって? この後時間あるんなら、貸してやってもいいよ。同室での乱交になるけど、あいつもきっと喜んじゃうよ」


 男二人は同じ会社の同期だという。聞いてみると名の通った食品会社だ。
 地方から出てきて二年、東京の派手な暮らしにすっかり染まったらしい悪ずれの感じが、かえって後腐れない遊びにはうってつけと見えた。
 背の低い青チェックシャツを来た男が宮村元樹。
 宮村よりは身長があるものの百七十には足りない、ちょっと粗野な感じの出っ歯男が丸山駆。
 ともに二十四歳。
 休日の午前をパチンコで潰してきたという二人には、知的なところが微塵も感じられない。いかがわしい俺の誘いに乗っちまう不用心さも相当アホだという証拠みたいで、友達には絶対したくないタイプである。だが、こんなカスみたいな男どもに未来が抱かれるのは面白そうと思った。

「おーじ、ここ右でよかったー?」
 ハンドルを握る詩乃が俺にナビゲートを求める。
「そうそう。んですぐのとこのイッツー左な」
 俺は助手席。後部の広々した席では、未来が宮村と丸山に挟まれて座っている。
 詩乃の運転するアルファードで俺らの新居に向かっているところだった。
 宮村は緊張しているのか、比較的大人しかった。
 丸山の熱烈アプローチが激しかった。
「ねえ未来さん、俺のチンコ触ってくんない? どうよ、なかなかイイっしょ。俺とエッチした女、ぜってーこれが忘れらんなくなるんだよ」
 かなりの自意識過剰ヤロー。パートナーの俺がいる前でも構わずグイグイ迫る丸山の勢いに、未来はむしろテンション上がり調子のようである。
「う〜ん、わたしの旦那には負けてると思うけど、まあなかなかのもんじゃないのぉ」
 スリスリと丸山の逸物をさすっている音だ。
「マジ? 亮介さんそんなデケえんすか?」
 馴れ馴れしく呼んでくる丸山だ。
「なんか丸山くん、おーじに似たタイプじゃない?」
 くすくすと詩乃が笑う。
 そうか、何故かやたらと丸山の言動にイラッとするのは、同族嫌悪なのかもしれない。


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