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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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12月:クリスマス-14

何もかも初めてのドイツのクリスマスマーケットは
絵本の中に迷い込んだかのようで大人たちさえも可愛く見える。

マーケットの中心に飾られた大きな本物のクリスマスツリーはうっすらと雪が積もり
まさにドイツ的で見るものすべてが珍しくてかわいらしい。

屋台を見ながら色々な珍しい食べ物を食べて
キラキラときらめくライティングとグリューヴァインの味と匂いに顔を赤く染める。

「ほのかさん、今の研究が終わるめどがまだつかないんだ」

夢のようなその空間から現実に引き戻されたようで
サッと冷たいドイツの夜風が頬をかすめる。

「うん」

「恐らくあと数年は帰国できない」
「うん」
「でも、来年も2人で横浜の酉の市にも行きたいしシュトュットガルトのクリスマスマーケットも行きたい」
「うん・・・。うん、私も」

「街が。シュトュットガルトの街全体が12月に入るとウキウキし出して
マーケットも始まってクリスマスムードになる」
「へぇ!」

「街のウキウキした気分に乗って、俺もほのかさんにプレゼントを買ったんだ」
「え・・・」
「渡せるか分からなかったけど。それでも買いたかったんだ」
「小川くん」
「一緒にクリスマスの幸福を祝いたいと思って」
「ありがとう」



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