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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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12月:クリスマス-13

小川くんが改めて私を見つめて、ホッとしたように小さく笑って
「せっかく来てくれたんだから、世界一のクリスマスマーケットを楽しもう」

今この瞬間から、シュトュットガルトが俺にとって最高に素敵な『世界一』のクリスマスマーケットになったよ―――

小川くんのその言葉を思い出して、私も嬉しくなる。

「私も。私もシュトュットガルトが世界一のクリスマスマーケットだと思うわ。
だって、小川くんと一緒に見ることができるんだもん」

私たちはギュッと手を握ってゆっくりと雪の中を歩き出す。

私たちの人生も2人で一緒に歩きだす。

「寒いな。ほのかさんもグリューヴァインを買おう」
「何それ?」
初めて聞く言葉を聞き返すと
さっきから持っている可愛いカップを「はい」と差し出す。
「赤ワインにスパイスが入ってる。あったまるよ」
渡されたカップは陶器でクリスマスの絵が描いてあって可愛い。
受け取るとほんのり温かくて
「ホットワインだ」
日本よりも数段寒い雪のドイツの夜を温めてくれる。


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