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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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10月:トライアングル-1



ドイツから帰った日。
空港まで迎えに来てくれた秋田さんは、そのまま何も言わずに私を家まで送りとどけてくれた。

「また今度、みんなでどこかへ行こうか」

笑いながら別れ際にそう言って、私の髪をそっと撫でた。

何も聞かないでいてくれたことが嬉しかったし
何も話さなくて良い状況はホッとした。

その後も秋田さんは仕事が忙しいらしくめったに会社では会えないままで
小川くんとのお決まりの連絡は楽しみ半分の心苦しさ半分の宙ぶらりんの状態で。

私は私の感情に疲れていた。

「ねぇ。日帰りで箱根に行かない?」

そんな時、葵に誘われて

「箱根?」
「うん。秋田さんが車出してくれるって」

秋田さんと、かぁ。

「今年の夏、私とほのか一緒にどこにも行ってないじゃん?」

ドイツから帰って来て、空港で泣いたことを葵には話してない。
ドイツでの事も・・・

だけど、様子がおかしい事は葵にはばれているはず。
普通にふるまおうとすればするほど・・・
ばれているはず。

「うん・・・行こうか」

思わずそう言った返事は
日曜日に時差のある小川くんからの連絡をじっと待っていたくないから。



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