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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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10月:トライアングル-6


「おがわ、くん?」

すっかり暗くなった辺りと、ココにいるはずのない人の声で
自分の耳を信じられずにすぐに近寄ることはできなかった。

その瞬間に、秋田さんが運転席から降りて来て
私の横に立つ。

「急にこっちに用事が出来て、明日の便だったんだけど
早く来て驚かせようと思ったんだ」
「・・・・」

「急に来て、、ごめん」

無理やり笑った顔で、
「出直すよ」
早歩きで歩きだす。

「小川くん」
追いかけようとした私の手を握って秋田さんが引きとめた。

「ほのかちゃんは何も悪いことをしていない。
そんな顔で行って、何を言う気だ?」

きっと・・・・
泣きそうな、後ろめたい顔をしていたんだろう。

「でも、でも、今行かないと!
私、小川くんを傷つけた」

「逆だろ!」

「傷つけられているのはほのかちゃんだろ?」

秋田さんは引きとめるために握っていた私の手をグッと引っ張って私をその胸に抱き寄せた。

「ココにいろよ」


―――ほのかを幸せにしてくれる人は、誰なの?―――


葵の言葉が頭の中でこだました・・・・



10月の花:トーチリリー
花言葉:恋の痛み



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