悪魔とロリコン三十男-4
「ソラ、買い物に行こう。今晩の夕食がない。」
「一人で行けよ。股が痛くて歩きたくない。そうだ、行ったついでに子供用のブラジャーとパンティー買ってこい。」
「そんなリスクのあることできるか。俺のジャージ着て、サンダル履いて付いてきな。」
「乳首だって腫れてて、こすれると痛いんだぞ。」
「帰りは抱いてってやる。」
美少女を連れて歩くのは俺の夢の一つだった。コンビニでなく、少し遠出してスーパーへ行くことにした。通りを歩いているとソラは
「店がいろいろあるんだな。服が欲しくなってきた。」
「買ってやるよ。」
俺たちは安い服屋に入った。ソラは、嬉々として服を買い漁った。靴まで買い始めた。合計四万円。家賃とほぼ同じだ。しかし、俺には金を貯めてもどうせする事などない。ソラに金を遣うのは、余計な物を買い込むより、何だか楽しかった。
「帰りは負ぶってくれるんじゃなかったのか?」
「お前、普通に歩いてるじゃないか。早速、買った物着て。」
「どう見える?」
「ものすごく可愛いよ。帰ったらその格好からすぐ脱がせたい。」
「じゃ、まだ帰らない。飯、食ってこうよ。」
「金の遣い過ぎだ。まあ、いいけど。」
およそ三十男に似つかわしからぬ美少女は、俺を連れてラーメン屋に入った。
頼んだ激辛チャーシューメンを食べながら、ソラは
「帰ったら何する気だ?」
「別に何にも。ネットもお前がいれば要らないし。お前とセックスするくらいかな。お前こそ、子供なんだからしたい事ないのかよ。午後、なんか考えてるなら、付き合ってやるよ。」
「あたしは子供じゃない。今そうなってるだけだ。それに、悪魔にしたい事なんてあるわけ無いだろ。神じゃあるまいし、予定とか計画とかは上の奴らだけ。あたしらは命令がなければ、その場の欲求だけでいい。」
「動物と同じか。」
「うるさい。人間とか神とかはおかしい。特にお前らは、能力もないくせに先のことばっかり考えて心配してやがる。まあ、だから上の仕事が進むんだけど。この餃子、全部食っていいだろ?」
「いいよ。ライスも頼むか?」
「そんなには食えない。」
俺がずる休みをしているいま現在も、ラーメン屋の店員は働いている。ラーメン屋の仕事は楽しいのだろうかと俺はふと考えた。楽しそうには見えない。正社員ばかりではないだろう。正社員はきつく、パートは安定しない。つまりは生活のためだけの仕事か。
ただ、ラーメンはうまかった。それには感謝した。
「負ぶってやろうか。」
「いい。この靴が気に入った。」
「お前の仕事って何だっけ。」
「お前の誘惑。」
「楽しいか?」
「仕事が楽しいわけ無いだろ。あ、うちに着いたらスカート捲らせてやる。汚すなよ。」
「それも仕事?」
「ん? 何だろ。違うな。捲りたくないのか?」
「捲りたい。」
「強姦とかしてみろよ。ふふふ。そういう劇作ろうか。」
ソラはとても楽しそうに見えた。