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悪魔とロリコン三十男
【コメディ 恋愛小説】

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悪魔とロリコン三十男-7

翌朝、鳥の声が騒がしい中、隣の枕元でソラが呟いた。
「決めた。あたしはカイトに寄生する。だからカイトもあたしに堂々と寄生しろ。」
「そんな関係、生き物に無いよ。共生のこと?」
「何でもいい。あたしはカイトのために生きる事にする。」
「悪魔は予定とか考えないんだろ。」
「考えたんだから誉めてくれてもいいじゃないか。カイトはあたしのために生きる気、ある?」
「あるよ。ソラがいてくれたら、幸せな感覚が毎日あるかもしれない。ゴキブリも大切にするぞ。」
ソラがいれば、そしてゴキブリがいれば、仕事にも耐えていけるかもしれない。そう思えてきた。例え仕事を辞めても、大切なものは残る。俺の心は落ち着いてきた。
「じゃあ、今晩は少しくらい無理して、激しくセックスしていいかな。と言うのは嘘だ。大事にするよ。」
「でも、カイトがそうしたいなら・・・」
その時、金色に輝く二匹のゴキブリが歩いてきた。そして真上に人影が現れた。金髪碧眼の美少女だった。真っ白いシュミーズのような服が輝いている。高貴に威厳のある子供だった。
ソラが驚愕して言った。
「局長! 何ですか、その格好?」
「この馬鹿者! 私たちは二人とも神の罠に嵌められたのだ。まさか人間の心の中から出てくるとは思わなかった。更にお前の中からもな! ゴキブリの心からも現れた時点で、私まで悪魔の資格を失った。悪いが、これから一緒に居させてもらう。その人間を守る義務が生じたのだ。お前と同様、胸の内から湧いた止むに止まれぬ義務感だ。」
金髪美少女が実体化した。二人の少女の体臭がたちまち部屋に広がった。興奮した俺は頭を持ち上げたが、ソラに上から押しつけられた。
「局長、カイトとセックスする気ですか?」
「そうだ。お前は霊界に戻って天使に挨拶してこい。」
「えっ!?」
ソラは忽然と消えた。だが、すぐまた現れた。
「戻れるんですね。でも、元に戻れても、あたし、こっちがいいです。」
「好きにしろ。私も好きにさせてもらおう。カイト、これから頼んだぞ。」
俺は思わず正座した。
「何を頼むので?」
金髪美少女は答えず裸になった。そして、俺を柔らかく押し倒すと、ゆっくり俺の顔へ跨った。
「三十三回、なんだな?」
ソラが
「局長、それは誕生日の話です。場所だって、顔にするんじゃありません。それと、今日はお花見に行くんです! 夜にしてください!」
「俺、あしたは仕事、休みたくないんだけど。」
神は沈黙していなかった。姿は結局見えないけれど、確かにどこかにいるらしい。
俺の人生観も生活も、三日で大幅に変わってしまった。元はと言えば全てゴキブリのお蔭だった。
出てきてくれてありがとう、ゴキブリ! 俺は局長の尻の下で歓喜に咽びながら、そう心の中で叫んでいた。


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