向かい合う花びら-4
玲奈の手が、ユラリと揺れている瞳美の乳房を持ち上げ、そのまま撫で回す。
「玲奈、たった今終わったばっかりよ?」
「だからなんなの」
ぽってりと柔らかな唇が、瞳美の桜色の乳首を優しく咥え込み、チュ、と吸った。
「あ……」
たまらず声を漏らした瞳美に、この機を逃すまいとばかりに玲奈が覆い被さった。上下に体を重ねたまま、二人は正面から見つめ合い、唇を合わせた。
「一応訊くけど、もっと強烈なプランって、何をするの?」
トロンとした目を潤ませながら、玲奈が尋ねた。含み笑いを浮かべつつ、瞳美が答えた。
「目隠しをされて、相手が誰だか分からない、いつどこに何をされるかも分からない状態で、ヤられまくるの」
「うーん、そういうのはさすがにお断りよ」
「じゃ、こういうのはどうかしら」
瞳美の右手が玲奈の背中を撫で、キュっと括れたウェストをいやらしいほどゆっくりと這い下り、白く豊満な尻の感触を楽しんだあと、ムッチリと肉付きの良い太股の内側に滑り込んだ。玲奈は恥ずかしそうに横を向きながら、少しだけ足を開いた。
「いいのね? 玲奈」
「して、瞳美」
指先に力がこもる。それは後ろから玲奈の花唇をこじ開け、潤み切った女の秘めやかな渓谷にジュブリと侵入した。玲奈の息が荒くなっていく。瞳美の胸も大きく動いている。
蛇行するように、あるいは円を描くように。沼のごとくぬかるんだ谷底に、瞳美の指先が遊ぶ。それはやがて、ポッテリと膨らんだ肉の蕾を捉えた。優しく柔らかく、その先端を撫で回すと、玲奈はビクっと腰を跳ねさせて、身を捩った。
「ここね、ここに欲しいのね?」
玲奈は無言だが、目が答えている。瞳美は人差し指と中指で蕾を挟み、少しだけ力を入れてしごき上げた。
「ん、んぁあっ……」
激しく反応する玲奈を見つめながら何度も蕾をしごくうち、玲奈は大きく足を開いて膝立ちになり、腰を動かし始めた。
瞳美の手が玲奈の前に回り、控えめな翳りを掻き分けた。そして秘めやかな女の壺口に、人差し指と中指を揃えてそっと突き立てた。
「いい? 入ってもいいかしら」
「いいっていうか……入って、そこに。もう、がまんできない」
潤み切った入り口に、指先は簡単にめり込んだ。そして、粘液を纏わり付かせながら、ジュブジュブと沈み込んでいく。
「熱いわ。あなたの中ったら、燃えるように熱いの。そして、指を締め付けてくる。蕩けそうよ」
「ああ、感じるわ。あなたの指が私の……くぅう……」
「天井がザラザラね。ここはどう? 気持ちいい?」
「すご……凄い、何かが出ちゃいそうよ」
玲奈は白い顎を反らし、歯を食い縛っている。
「私にも感じさせて。あなたのここを、私の最も敏感な部分にちょうだい」
そう言うと瞳美は、上になっている玲奈をゴロリと仰向けに寝かせ、逆に自分がのしかかった。そして玲奈の右足を自分の左肩に担ぎ上げ、二人の股間と股間を接近させた。
「ひ、瞳美、そんなことをしたら、お互いの……」
「そうよ。お互いの最も敏感な部分同士を擦り合わせるの」
「そんな、そんなこと……」
「するの」
瞳美が腰を前に突き出した。玲奈も下から突き上げるように腰を持ち上げた。
「あぅ……」
「んはぁ……」
チュプ、という湿りきった音が室内に広がった。
「ああ、瞳美が、瞳美が私に擦れてる」
「玲奈、なんて柔らかくて熱いの」
ジュプ、ジュ、チュプン、と、湿った軟体動物同士が絡み合い、あるいは剥がれるような音だけが流れ続けた。その音は、徐々に間隔が短く大きくなっていく。
「ん、んんっ……」
玲奈が激しく腰を揺らせば、
「んはっ……はぁあっ……」
瞳美は叩きつけるような勢いで突きまくる。
「瞳美、ねえ、瞳美。私、もう……」
「待って、玲奈。私ももうすぐよ。一緒に」
「ええ、来て」
ひときわ大きく激しく股間をぶつけ合い、擦りつけ合う二人。額に汗の玉を浮かべ、髪を振り乱し、口角からは涎を垂らしながら。
やがて。
「い……」
「イクの? 玲奈」
「イク、イってしまう、ああ、瞳美」
「いいわ、いいわよ、玲奈。イきましょう、一緒に」
「い、一緒に……イク、イク、い、い、い、い、い、イっぐぅ……」
玲奈の全身を、泡立つような細かい震えが走り、腰が、ガクガク、ガク、っと跳ねた。その様子を見下ろす瞳美にも程なく同じ瞬間が訪れ、二人は、強く股間を接触させ合ったまま、時が止まったかのように硬直した。