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陽炎の渓谷
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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向かい合う花びら-3

「瞳美さん、なんて乱暴なことを」
「これ、なかなかスゴイのよ。玲奈もやってごらんなさいよ」
 玲奈は少し躊躇ったが、同じ事をしてみた。
「ぐ……」
「やりにくかったら、パンティ脱いじゃってもいいわよ」
「そんなことしたら、瞳美さんに見えちゃうじゃない」
「見せるのよ。いいえ、見せ合うの」
 そう言うと瞳美はいったん足を閉じ、スルリとパンティを脱いで部屋の隅に放り投げた。
「さあ、見て。この前はマジックミラーを挟んで向かい合ってたから見えなかったでしょ?」
 全開にされた両足の間に、こんもりと茂った丘が見えている。それは中央に走る深い亀裂で二つに割れており、隙間から唇のような物が少しはみ出している。
「ああ、それが瞳美さんなのね」
 玲奈の目が見開かれ、釘付けになる。
「そうよ。さあ、もっとよく見て」
 瞳美は人差し指と中指を花唇に当てがい、躊躇わずに一気に左右に開いた。その瞬間、薄く陽炎のようなものがたちのぼった。玲奈の事を散々からかっていた瞳美自身も、もうガマンの限界を迎えていたのだ。熱く火照った谷間が、その壁に粘り着いている潤いを蒸発させる程に。
「いくわよ」
 ジュブリ、と指が埋められ、上下に一往復した。そうやってすくい取った粘液を、彼女はぷっくりと顔を出した肉の蕾に塗りつけ、子供の頭を撫でるように優しく擦り始めた。
「うぅ、ぐぅう……」
 玲奈が見ているというのに、何の恥じらいもなく悦びの声を漏らす瞳美。その声に煽られたかのように、玲奈はパンティに手を掛け、一気に引きずり下ろした。ただし、瞳美のように投げたりはせず、ソファーの上に丁寧に置いた。
「こ、これが私よ」
 瞳美に習い、足を全開にして見せつける玲奈。
 控えめな茂みの中央にまっすぐに走る亀裂。それはほとんど閉じているが、僅かに内側の桜色の肉が見え隠れしている。それを、玲奈は指で開いて剥き出しにした。
「ああ……」
「んん……」
 瞳美は感嘆の声を、玲奈は露出のカタルシスの悦びを漏らした。
「可愛い……ほんと可愛いわ、玲奈ったら」
 瞳美の指が加速した。グリグリと自分の肉の蕾を弄る。
 玲奈も、谷間から潤いをすくい取り、朝露に濡れた真珠のように深く鈍い輝きを放つ肉の蕾に、そっと塗りつけた。
「んはぁ……」
 あとはもう、二人とも止まらなかった。止められなかった。
 グニグニ、グチョグチョと谷間や蕾を弄くり回す。粘り気の強い湿った音だけが、一人暮らしの瞳美の部屋の中に響き続けた。
「ああ、見て、瞳美。私、自分の夫を寝取った女にこんなことをして見せているのよ」
「玲奈、あなただって私の恋人と。あの人が愛してくれるここを弄っているのを、他でもない、あなたに見せているの」
「そうね、そうよね、瞳美。私たちって」
「歪んだ女ね。夫や恋人を寝取った女に欲情して、もうイきかかってる」
「私もよ、瞳美。もう、もう……い、い、い……」
「イクっ……イクわ、玲奈」
「い、イってしまう、私も」
 腰を持ち上げ、互いに見せつけるように足を全開にして股間を突き出し、激しく女の秘所をまさぐる、二人。
「あはぁあ……イっくぅ……」
 瞳美が上体をグイっと反らした。
「い、い、い、イグぅ……」
 玲奈も身を捩った。
 二人は、ガクッ、ガクン、と腰を揺らし、互いの股間をしっかりと見つめながら、全身を細かく震えさせて硬直した。
 下腹部の奥深くにジュワーっと湧き上がる快感にその身を焦がし、炭酸の泡のように弾ける悦楽に痺れながら、玲奈と瞳美は白い闇に漂い、そして自由落下するかのように脱力して、ソファーの上に崩れた。
 しばしの間、話すことも出来ずに荒い息を繰り返したあと、玲奈がようやく口を開いた。
「幸弘さんに抱かれたあなたとこんなことをしているなんて、ヘンな感じがするわ」
「私もよ」
 瞳美は全裸のままソファーの上に仰向けに寝そべった。そして、思い出したように呟いた。
「幸弘さんと言えば、やっぱり仲直り、したいわよね?」
「それは、もちろん」
 玲奈は間髪入れずに答え、瞳美は口の端を歪めて小さな笑みを浮かべた・
「玲奈って、他の男に抱かれているところを旦那さんに見られると欲情するのよね?」
「え、ええ、恥ずかしいけど、その通りよ」
「そこで提案なんだけど」
 瞳美が玲奈の方に身を乗り出した。
「幸弘さんを嫉妬させずに、なおかつ二人で楽しめる方法があるんだけど、試してみない?」
 瞳美の話に興味を示した玲奈は、目を大きく開いて身を起こした。
「どうすれば?」
 見つめ合う二人。
「旦那さんに見られながら、性具を使ってオナニーするの。そうすれば、他人は介在しないから嫉妬されないし、見られながらだから玲奈は欲情出来るはず」
「幸弘さんに見られながら、自分で……」
 玲奈の目に、妖しい潤いが流れた。
「あ、でも、性具なしじゃダメなの? 正直、ちょっと抵抗が」
 瞳美はゆっくりと頷いた。
「それはまあそうでしょうね。でも玲奈、忘れてないかしら。あなたは他の男に抱かれているところを見られたいんでしょう? 性具は、その『他の男』の代わりになる物として必要なの」
「話としては分かるけど……」
 玲奈は態度を決めかねている。
「まあ、気が向いたら連絡して。知り合いに専門家がいるから」
「専門家?」
「ええ。性具の開発をしてる人なんだけどね。旦那さんとの本番の前に、いろいろ学んでおいた方がいいでしょ?」
「はあ……」
 乗り気でない玲奈に、瞳美がニヤリとして別の提案をした。
「なんなら、もっと強烈なプランもあるけど」
 玲奈は疑惑の目で瞳美を軽く睨んだ。
「どうせろくでもないことでしょう?」
「あ、分かる?」
「分かるわよ。だって私たち……もうこういう関係なんだから」


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