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陽炎の渓谷
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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オレンジ-1

 立野玲奈(たての れいな)は、少しだけ近道をして、細い裏路地を足早に歩いていた。夫の幸弘(ゆきひろ)との待ち合わせ時間が迫っていたのだ。
 シルキーな白いブラウス、濃紺のプリーツスカートにブラウンのパンプス。
 三十をいくつか過ぎた人妻としては、まあ平凡なファッションと言えるだろう。ウェーブの掛かったセミロングの髪も、特別にお金のかかったヘアスタイルではない。
 とびっきりの美人であり、なおかつ夫にかなりの収入があることから、友人たちは玲奈にもっとお洒落するように勧めたりもするのだが、彼女自身はあまり興味が無いらしく、いつも地味目の服装をしている。
 音楽大学をピアノで卒業した玲奈は、楽器メーカー直営の楽器店に就職し、しばらく勤務したのち、学生時代の同級生である幸弘と結婚した。現在は、家事のかたわら、近隣の子供たちにピアノを教える毎日をおくっている。
 夫の幸弘は、数十年に一人と言われるほどの逸材で、国内のみならず広く海外からも請われて演奏を行う、優れたピアニストである。やや神経質なところはあるものの、その穏やかな人柄を嫌う者はいない。
「間に合うかなあ。遅れたら、また叱られちゃう」
 そう言いながらも彼女の口元はほころんでおり、瞳は輝いている。今日は夫との久しぶりのデートなのだ。海外への演奏旅行も多い幸弘は、一年の半分くらいしか自宅に居ない。しかも母校の音大で講師もしている彼はとても忙しく、なかなか二人っきりの時間をとれないでいる。
 路地を進んでいると、前を歩いていた女の買い物袋から、オレンジがひとつ転がり落ちた。
「落ちましたよ」
 腰をかがめて足もとのオレンジに手を伸ばしたその時、玲奈は背後に気配を感じた。
 振り返る間もなく、彼女のスカートは乱暴に捲り上げられ、紫色の小さなパンティが膝まで一気に引きずり下ろされた。やや小柄な体からは想像出来ない程に大きな白い尻、そしてその奥の秘めやかな女の花園までもが、白昼の路上で剥き出しに晒された。
「なっ……」
 間髪入れず、右腕が後ろ手にねじり上げられ、彼女は動けなくなった。
「痛っ、何を……」
 苦悶に顔を歪めた玲奈の腹に、男の太く毛深い左腕が蛇の様に這い、絡みつく。玲奈は青ざめ、唇を震わせた。
 いきり立った肉の鋼棒が、無防備に晒された白く豊満な尻の谷間にズン、と突き立てられた。そしてそれは、僅かにしか湿り気を帯びていない女の壺口をこじ開け、深く深く刺し貫いた。
「ぐぅ……」
 オレンンジが地面に落ちてからわずか数秒。たったそれだけの間に、玲奈はいきなり後ろから襲われ、男の支配下に墜ちたのだ。
 男の腰が、ゆっくりと前後に動き始めた。白い尻の間に見え隠れする桜色の谷間に、赤黒い肉の棒が、強引な出入りを繰り返す。
「嫌よ、嫌っ!」
 抵抗しようにも、ねじられた腕は軋むように痛み、怪力で抱え込まれた下半身は、全く自由にならない。
「嫌……」
 最初のうちこそ動きの硬かった接合部分に、いつの間にか潤いが滲み出し、ジュブジュブと湿った音をたて始めた。性感帯に与えられた刺激は、与えられたままに信号となって脳に伝えられ、快感物質の大量分泌を促す。たとえそれが意に反した強引なものであったとしてもだ。玲奈の顔に、恐怖や恥辱とは明らかに違う表情が浮かび始めた。口は半開きに緩み、目元がほんのりと色づいている。
「だめ……よ……」
 唐突に訪れた暴力的な快感に翻弄されて、理性が痺れていく。
「あっ、ああっ、あはぁあぁ……」
 白昼の路地裏に、上品な人妻の喘ぎがこだました。

 その様子を、すぐ近くのマンションの一室でモニター越しに見つめる男の姿があった。彼の両目は大きく見開かれ、握り締められた拳は震えている。
『あぁ、あぁ、あはあぁ……』
 大男の荒くれた腰が華奢な尻に容赦なく激突するたびに、玲奈の小さな唇から熱い吐息が漏れる。鑑賞者は、モニターのスピーカー越しに聞こえてくる彼女の喘ぎ声を、音楽であるかのように神経を集中させて聴いている。その瞳は切なげでありながら、妖しい色を浮かべてもいる。相反する二つの感情を、同時に宿しているかのように。
 玲奈を背後から犯す男の動きは、機関車のピストンの様に力強く、淀みない。凶悪な肉棒が、玲奈の可憐な谷間に吸い込まれては引き抜かれ、また貫いては引きずり出される様子が画面いっぱいに映し出されている。溢れ出た粘液が飛び散り、レンズを汚す。
『だ、ダメ、い、イってしま……』
 スパートをかけるように往復の速度が上がった。半ば白目をむきかけている玲奈はされるままに激しく体を揺さぶられた。
『あ、あ、あ、あ、あっ、ダメ、イク、い、い、い……ダメぇーっ!』
 玲奈は白い首筋を反り返らせ、ガクッ、ガクン、と大きく腰を揺らして硬直した。その身は細かな震えに包まれ、顔には緊張と弛緩の入り交じった表情が張り付いている。
 やがて彼女は力を失くし、悦楽の熱い吐息を漏らしながらガクリと膝を突き、アスファルトの地面に崩れ落ちた。


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