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陽炎の渓谷
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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リハビリ-1

「リハビリ頑張ってるんだってね」
 幸弘がそう言うと、麗華は恥ずかしそうに微笑みながら、杖を見せた。
「立野さんが助けてくれたから、リハビリが出来るんですよ。そうでなければ死んでたんだから」
「助けたのが僕だったのは偶然だよ。僕の車を煽ったのも偶然だろ? 計画的に狙ったんじゃなく」
「そりゃそうですよ。あぁあ、なんであんなバカなことしたんだろ」
「おかげで知り合えたけどね」
「最悪の知り合い方ですけど」
 二人は同時に笑った。
 自分が悪いのではないとはいえ、事故に遭った麗華の事が気になり、幸弘は何度か見舞いのためにこの市民病院を訪れていた。一度などは麗華に請われ、面会コーナーの隅に置いてあった古いアップライトピアノでメロウなソナタを弾いてやったりもした。いつの間にかギャラリーが群がって収拾が付かなくなり、病院からは軽く注意をされたけれども。
「奥さん、お元気ですか」
 玲奈はあれから一度も見舞いに来ていない。
「綺麗で上品ですよね。立野さんもそうだけど、私なんかとは住む世界が違いすぎる」
 ベッドの淵に腰掛けている麗華が、窓の外へ視線を流しながらそう呟いた。
「違うものか。みなそれぞれの生き方をしてるだけだよ」
 優しく微笑む幸弘の顔を一瞬だけチラリと見た麗華は、頬を染めて俯いた。その病衣の胸元は少しはだけかけており、立っている幸弘からは、超シンプルな入院患者用の白い布のブラがかなりはっきり見えてしまっている。
「例えば、ですけどね。例えば、ですよ……」
 麗華が念を押してから尋ねた。
「もし、奥さんと結婚する前に私と出会ってたら、付き合ってた可能性ってあると思います?」
「僕と?」
 顔を曇らせた麗華がコクっと頷いた。
「ごめんなさい、へんなこと訊いちゃった」
「いや、構わないよ。そうだなあ……」
 幸弘は麗華の左隣に座った。ベッドが体重で沈み、彼女が傾いてきて肩と肩が触れあった。
「ある、と思うよ。ていうか、出会いたかったなあ。ははは」
「奥さんに怒られますよ」
 麗華の目は泳いでいる。
「確かに。死ぬほど怒られるだろうね、今のを聞かれたら」
 麗華の方を向いた幸弘の視線が、彼女の胸元を捉えた。入院用の小さなブラでは到底支えきれない程に豊満でハリのある乳房の肉が、かなりの部分はみ出している。マリンスポーツをやっているそうで、顔の皮膚はだいぶ黒く焼けているが、普段外に出ていない部分の肌はまさに雪のように白かった。
「立野さん。見てくれるんですね、私なんかの胸でも」
 幸弘の顔から、サーっと血の気が引いた。
「ご、ごご、ごめん、つい……」
「謝らないで下さいよ、嬉しいんだから」
 そう言って麗華はブラに手を突っ込み、白くて大きな肉の塊をボロン、とつかみ出した。
「な……」
 カーテンで仕切っただけの四人部屋。会話は筒抜けだ。ヘタなことは言えない。幸弘はただ、見つめることしか出来なかった。薄く静脈の透けて見えている白い山と、その頂上にポツンと乗った桜色の蕾を。
 麗華に左手をつかまれ、胸に押し当てられても、幸弘は逆らえなかった。それほどまでに彼女の乳房は肉感的で、若いなりのほのかな色香を放っていたのだ。
 上へ、下へ。右へ、左へ。あるいはグルリと円を描いて。動き始めた幸弘の手を、麗華の視線が追う。その眉根は切なげに寄せられている。
 幸弘の右手がジワリと移動し、病衣からはだけた麗華の白い太股に乗った。そしてそのまま足の付け根へと病衣を捲るように手を這わせ、入院患者用の、なんの飾りもないパンティの形をした布切れに触れた。
 二人の目が合った。麗華は唇を噛み、小さく頷いた。
 白い布の中に侵入していく幸弘の細長い指が、モジャモジャとした茂みを越えて谷間に入り込み、プックリと膨らんだ肉の蕾を捉えた。
「……っ」
 声を出すわけには行かない。麗華は必死に堪えた。
 幸弘は更に奥へと進み、ヌルヌルに潤った谷間から粘液をひとすくいして戻り、蕾に塗りつけた。そして繊細なタッチでそれをこね回した。
 身を捩って耐える麗華の足が、少しずつ少しずつ開いていく。
 サッと立ち上がった幸弘は、麗華の前に跪くと、彼女のパンティに手を掛けて一気に足首まで引きずり下ろし、脱がせた。麗華が息をのむ気配を頭上に感じながら、彼は病衣の裾をはだけさせ、太股を左右に押し開いた。
 目の前に迫る、麗華の秘めやかな渓谷。それを両手の親指で割り開くと、顔を近づけて舌の先で肉の蕾を転がした。
 麗華は、抑えきれない程に乱れた息を、拳を握りしめて抑え込み、唇を強く噛んで声を押し殺している。
 幸弘は麗華をゆっくりとベッドの上に押し倒した。そして膝を抱え上げさせると、指を二本揃えて彼女のジュブジュブに潤みきった壺口に突き立て、ジワジワと埋めていった。
「……っ、……っ」
 麗華が首を振り始めた。もう息を抑えるのも声を噛み殺すのも限界なのだろう。
 指先が麗華の一番奥のポイントを捉えた。幸弘はそこを狙い澄まし、グリっと突いた。
「かはっ……」
 悦楽に顔を歪ませた麗華がついに声を漏らしてしまった。
 一瞬手の動きを止めた幸弘は、麗華の中の人差し指をゆっくりと直角に曲げ、腕全体を前後に往復させ始めた。
「……っ、……っ」
 息を止め、声にならない声を漏らして麗華が震え始めた。彼女の中で、人差し指は壁を擦り、中指の先端は一番奥のポイントを突いているのだ。
 顔を真っ赤にして手で口を押さえながら上体を反り返らせた麗華は、微細な振動を全身の表面に走らせながら硬直した。他にも入院患者の居る病室内ゆえに抑えに抑えた快感が、ついに下腹部の奥深くでジュワーっと迸り、それは全身を痺れさせる泡の飛沫となって弾けた。麗華は、グゥ、と喉を鳴らし、ガクッ、ガクン、と腰を跳ねさせた。そして身を捩り、やがてベッドの上でグッタリと脱力した。


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