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人形たちの話
【教師 官能小説】

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人形が人形でない話-10

「ごめんなさい、そういうつもりじゃなかったの」
 先生はそんな繊細な機微にもすぐに気付いて、即座に訂正した。
「深町君の最初の女が私で、すごく嬉しいの。……そろそろ私も準備が出来たわ」
 ペロ、とまた舌なめずりをする。先生が“女”になっているときの癖みたいなものなのだろう。そうやって、先生は切り替えているのかもしれない。獲物を逃がさないと決意する肉食動物のようになるために。
「仰向けになって、深町君」
 言う通りにする。すると先生は四角い何かを取り出した。
「ゴムはきちんとすること。エチケットよ。深町君は、つけたことある?」
「……な、ないです」
「じゃあ私がつけるわ」
 呆れることなく、両手で扱くようにゴムを付ける。その感覚もまた心地よくて、血流が集まっていくのがわかる。
「せ、先生、早く……」
「ふふ……焦らないの」
 焦らすように、見せつけるようにまたがると、先生はゆっくりと腰を下ろしていく。花芯に陰茎が触れた。
「ああああ!!」
 それだけで僕は爆発しそうになる。だけど何とか耐えた。そんな様子が面白そうに、先生は笑う。
「ああん、は、挿入ってくわ……! 深町君、わかる……!?」
「先生、先生……!!」
 ズブズブズブと完全に腰を下ろし切った時、僕は完全に蕩けていた。陰茎にまとわりつく粘膜の感触は、先ほどの口技よりはるかに気持ちよくて、全部を包んでくれて、電流のような快感が身体の中心から背筋を駆け上って頭の芯から足の先まで快感に支配された。
 先生はそのまま腰をゆっくりと前後に動かしていく。それだけで爆発しそうなのに、そのうち先生はピストンし始めてきゅうきゅうと粘膜を締めていく。
「あ、先生、せんせい、イく! イきます!」
「ええ、イきなさい! イって!!」
 ドビュ、ビュ、ビュルルルル!!
 二回目の射精が終わるまで、先生はピストンを止めていたことに僕は気付かなかった。
「せ、せんせい、ごめんなさい……イかせられなくて」
「気にしないで、初めてなんだから……え? あらあら、ふふ……」
 笑みに妖艶さが増す。いったん抜き、ゴムを入れ替える。
「ぜんぜん萎えてないわ、まだいけるのでしょう? さあ、今度は、深町君が突き上げて……」
 またズブズブと挿入れていく。拙いなりに僕からも腰を上げた。
「んあ、あ、あ、! そ、そう! もっと、強く!」
 ――こうして夜は更けていった。



 さすがに五回はきつかった。先生は武道経験者だからか、元々女性とはそういうものなのか、四回イッたと自己申告されたけどまだ余裕がありそうに見える。
「少し、休憩しましょう」
 それでも満足そうに笑う。身体のことを考えて僕自身を引き抜こうとしたけど、
「ダメ、このまま」
 足を絡められて、挿入れたままになった。
「すごくよかったわ」
 ボっと顔から火が出るように恥ずかしくなる。先生の乱れた顔や声は色っぽいなんて表現じゃ生ぬるい。普段が地味なメイクと服装だから、なおさら色気が半端ない。
 先生はどこか感慨深そうだった。
「あのね、正直に告白すると……Hって好きじゃなかったの。教師って職業も相まって、性に対して開放的になる気はしなかったし……」
 意外な言葉だった。
「もしかして、先生も緊張してた?」
 頷かれた。
「だから、これだけ気持ちよくなれたのは初めてなの」
 にこりと笑われて、僕はきっと嬉しくなったんだと思う。
「ん、また大きくなってる……」
 くすくすとまた笑うと、押し付けるようにして僕自身を味わう。
「あ、先生……まだ、大丈夫?」
「深町君が平気なら、もっと深町君を感じたいわ」
 耳元で囁かれる。
「まだできるでしょう?」
 多分、明日は腰が砕けると思う。
 それでも僕は今が大事だから、先生の言葉に頷いた。


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