投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 98 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 100 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

刺青美少女-4

 やっと自傷を止めてくれた彼女の腕にホータイを巻きながら、あたしの肌に金魚が泳ぐ姿を想像し、それをママが見たらどんなに嫌な貌するかと、ふと思い、それがとても気持ちいいことなの、あの女に復讐するならこんなに気持ちがいいことは無いもの、ぜったいに、今更ナニ影膳なんて、あたしがいつか帰れるように忘れないからなんて呪いを掛けて来るんだろうって。
 刺青のスタジオに年齢を詐称し、デザインを相談するところまで具体的になった段階で、
「ねえ栞理ちゃん、刺青を彫った後は、一緒に死んでくれるよね」
 あたしが、順子の一度だけの告白、彼女の全てが欲しいから、あたしのせいいっぱいの、不器用な告白、振られたらどうしよ? ひとりで死ぬの? もう一人は嫌だな、一人になるのは……そのときは彼女を殺してあたしも死のう、それがあたしの完成だから、彼女だけは持って帰ろう、全てを捧げたのだからひとつくらい欲しがってもいいじゃない、なんにもなかったんだからひとつくらい……
「そ、それ……」
 微かに震えている栞理ちゃんだ。
「ほ、ほ、本気でおっしゃって、ま、ま、すか」
 声がそれに表れてる、やっぱ怖いのか、あたしのこと。
「栞理ちゃんだけだよ、一緒にって……」
 あたしの手をそっと寄せる栞理ちゃんだ、震えが伝わってくる。
「嬉しい、わたしに全部をいただけるのね、心中立てだけじゃなくて、ほんとうにいっしょになってくださるのね、その気持ちに偽りはないのですね。やっぱりあたしの見込んだ娘です、お兄様などとは違いますわ」
「慎二さん、悲しむだろうね、栞理ちゃんを亡くすことになるなんて」
「構いませんことよ、わたくしに愛を囁きながら、子供を作ろうとせず、出世のためクロアチア女性と婚約し、更に出世のため、語学的才能の順子ちゃんを利用しようなどするおとこのことなど、身体を許していたことがもはや捨て去りたいものです! そのことに気づかせてくださった順子ちゃんなんですよ、これはもう運命以外ないじゃありませんか、一緒に逝きましょう、そして来世では同じように一緒になれることを……」
 救えないどうしようもない思いって純粋に悪だよね……心中しようと囁きかけることって救えない悪そのものよ……
 でも悪だから惚れこむの、いっそ爽やかに将来を捨てることができる、ないよ、刺青なんて入れるって事に将来なんてない、だから心中する前に、彼女との契りの為に、彼女もいっしょに犠牲になってもらうんだもん、特別な、血よりも濃い関係性、入れて後悔する暇もないから、絶対だから、心中したらオシマイって、そこで決まるから、一瞬の閃光のように華と散ることができるなら、白い肌にぱっと咲いた墨をみてね……

 年齢を詐称して、濃い化粧をしてふたりで彫り師の元を訪ね、何件か断られたが、数打てば当たるんだ。
 三回に分けてのお仕事で、最初の筋彫りのときが痛かったかな? リンパがパンパンに腫れあがちゃって、40度近く熱が出てね、ふらふらになって三日もねこんだの、でもその時の栞理の優しさとかいがいしさときたら、えへへへ、ちょーうれしかったもん。そのあとも痒くてさあ、鑿を刺すのも痛いけど、痒いのもたまんないっていう、でもそれもこれも栞理ちゃんと傷を共有できるなら我慢できるの、彼女の為だし、ましてや彼女の苦しむ表情をみることに全てを支配したかのような悦びを覚えるもん、きゃあ! もう最高! セックス以上の興奮よね! 痛みを我慢しているときの顔って、
「痛いです」
(そう?)
 だってもっと痛めつけたいもの、逃げださない健気な栞理って、あたしの理想だから、あたしのこと全部あげるから、あたしが痛めても逃げ出さないかわいらしいすがたを見せて下さい、心を縛れないのならせめて體だけでも、皮膚だけでも縛らせてよ。
 あたしはもっと痛めつけたいの、こんなことくらい栞理ちゃんはクリアできるでしょ? 期待を裏切らないでよ?
「か、堪忍して下さい……」
(するわけないだろ、順子を裏切ってお兄さんと快楽に溺れていたあばずれなんか!)


わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最初へ わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 98 わるい娘、メンヘラビッチとの出会い 100 わるい娘、メンヘラビッチとの出会いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前