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よだかの星に微笑みを(第三部)
【SF 官能小説】

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はじめての死闘-2

喫茶店に入って全然落ち着かなかった俺は、もう鳴神山へ移動することに決めた。電車で一時間ばかり離れた田舎である。近づくごとに天気は悪くなり、夕立かと思った雨が雷雨に変わってきた。
「狙っていやがる。」
ナースチャはこの雷を利用するつもりなのだ。援軍がいるかも知れない。もう、やるしかない。俺は覚悟した。
これは先輩たちも知っている事なのだろうか。それとも、ナースチャの独断だろうか。ロシア側にも伝わっている話だろうか。先輩たちが知っていたとしても、理屈からして俺を助けるのはおかしいだろう。内紛の元になるばかりだ。ロシア側に話が伝わっていたら、日本の方でも俺を攻撃してくるかも知れない。先輩のところ止まりで俺の存在が隠蔽されているからこそ、日本の組織も俺を知らずにいるのだ。
「いつかこうなると思ってた。勝ったって、次が来るんじゃ仕方ないよ。」
いつか冗談のように出た案の、俺とアンカと蘭の三人で組織を作るというのが、本当になる可能性が出てきた。そうしたら、家族は、就職は、卒論は、生活は? 強盗団にでもなるしかないのか。
組織の下で理念の奴隷になるのは御免だが、追われて生きていくのはもっと困る。
どしゃ降りの中、電車は鳴神山の駅に到着した。まだ五時だった。
電車を降りてホームへ出た途端、ナースチャに会った。同じ電車の、違う車両に乗っていた訳だ。せっかちなのか、向こうも緊張しているのか、策でもあったのか、分からない。
ナースチャも俺の顔を見て顔を赤くした。間が悪そうだったから、別段、策はなかったようだ。
「もう始めようよ。無人駅だから、すぐ変身して。」
「変身しないで戦おうか。」
「はあ? 警察が来るよ。それに、あたし、技は変身しなくても使えるんだから。」
俺たちは外に出た。人っ子一人いない。
 どしゃ降りに雷、薄暗い中に稲光が鋭く走る。
生き残ったら裸では困ると、俺たちは帰りを意識して、服をトイレで脱いでいく事にした。死闘前なのに、そんな余裕がなぜかあった。
 トイレは男女隣接し、天井を共有している。
「もういいか。」
「まだ。」
「なんで。」
「おしっこしてる。お兄さんもしといた方がいいよ。」
銭湯の男湯から女湯へ声を掛けている態だった。
ナースチャはかなり我慢していたようだ。耳を澄ましたら音が聞こえた。ちょっとだけ、触角を使い覗いてみた。
凄いおしっこの勢いだった。便器の周りにも、割れ目から放射状に幾筋か飛び散っていく。急いで出そうとナースチャが力む度に、濡れたピンクの肛門がぷくりと膨らんだ。
興奮した俺は簡単に変身した。それを感じ取ったナースチャも、瞬時に変身した。
 俺たちは、忽ち虚空へ高く舞い上がった。


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