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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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それでも守りたいもの-1

 夢の中の更に夢の中、あたしは混乱をしているの、巨大な花の中に誘い込まれ、もがけばもがくほど逃げられなくなるような夢で、その蜜は魚介類が腐ったような死臭がするのに、なんて甘い味なのだろうって、混沌としていた一匹の虫にあたしはなっていたのだから、ちっぽけな虫にさ。
 あたしは上手く出来ていたのでしょうか、家族を守る為に立ち回れていたのでしょうか、やり過ごせていたのでしょうか、ママの要求する女の子を演じれていたのか……娘の責任と義務で完璧でなければいけないの、絶対に完璧でないといけないんです、それが出来ないからパパは逮捕されてしまったの、だから順子はダメな娘です、ダメだという意識から逃れる為に完璧をめざすしかないのです。
 そうして更に深く意識が遠ざかって……

 愛ママが本当に優しいなって思うのは、絶対に信念を曲げないってところかな?
 母娘、女の子同士の目くるめく一夜の後、順子に制服を着させ、向かったさきは警察署、小児科、産婦人科、国から紹介された弁護士、区役所、ただしママが頑固に反対していたのは自助グループにだけは参加させてないって方針くらいで、性犯罪被害にあったことを微塵も隠さないっていう方針だ。それについて受けられる公的支援を使い、順子との生活をママは守るつもりでいる、生活保護も支給されるようにとの手続きも間違いがないみたい、それでママも昔取った税理士の職にも復帰して順子との生活を安定させるつもりって、急に張り切りだしているわ。
 ただし、ママとの行為については唯一の例外だって、専門の看護師さんにも、カウンセラーにも秘密にするんだよって、ママと固い約束をしたの、誰がそんなこと話すかっていう。
 だってたとえ学校のクラスメイトに順子が家庭内で性的虐待を受けていたと広まってしまっても、戦う覚悟を決めていたもん、どんなに怖くってもパパが戻ってくれるのなら、元の性的被害の無い家庭に戻れるんだったらあたしは何だってする、順子をどんなに傷つけようとも順子を救ってみせる、彼女を殺したってあの子を救ってみせる、だってもうパパは悪くないもん、順子の瑕はママに上塗りされて、ママのつけた傷口になったから、愛憎入り混じるママが今は必要だから、彼女の優しさを受け入れて生きていくしか選択肢はないし、ううん、そうじゃない、彼女を愛していけばいいんだ、完璧にやりきればママはあたしを必要としてくれる、家族を守れるもの、間違いないよ、間違いないって!


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