F義母脅迫-2
夕方少し冷静になった。夫に話し離婚が成立するまでは秀志の妻なんだ。
だから光一の夕食を作った。
同じテーブルに着くのははばかられたので若菜はキッチンで食べた。
食後リビングのソファーから光一に声を掛けられた
「母さん僕が悪かったよ。ちょっと今後の事話し合わないか?」
勿論異論はなかった。きっぱりと自分の決意を話しておくべきだと思った。
アイスコーヒーをテーブルに置き腰かけた。
すべてを夫に話しこの家を出ていく覚悟が出来たことを伝えた。
「だからもう君の思い通りにはならないわ。
それにしても媚薬を飲まし友達に私の身体を売るなんて本当に酷い子だわ。」
「ごめん。ごめん。出来心なんだ。友達に金を握らされてついやっちゃったんだ。」
「私も夫にバラされるのが怖くて受け身になったのが悪かったわ。
こんなことになる前にもっと早く決心すべきだったと思うわ。」
「ところで母さん、うちのクラスに剛田君て子がいるのは前に話したよね。」
「ええ。あの剛田組の組長の子ね。何かあったの?」
「その剛田から聞いたんだけどヤクザのしのぎはえげつないらしいよ。」
「そりゃそうでしょう。今は取り締まりも厳しいからね。」
「組長は不良債権を2掛けで買って徹底して回収し、それが剛田組の資金源になっているらしいんだ。
だから鬼のような取り立てで自殺者も出るほどなんだって。」
「そこまで追い込んでも死んじゃったら取れないのにね。」
「ところが裏の世界では自殺してもその生命保険金を回収する術が有るらしいよ。」
「怖いわね。そんな人たちと関わっちゃ駄目よ。」
「回収不能の不良債権を持っていることを剛田君に話しちゃったんだ。そしたら彼お父さんに話したようなんだ。
一度遊びにおいでって誘われているんだ。」
「不良債権と言ったって5万や10万じゃ相手にしてくれないわよ。」
「800万円。借用書はこれさ。」コピーを渡した。
「こっこれは、どうして、どうして。ちょっと待って。」
別室から父に電話している声が微かに聞こえる。20分ほど話した後部屋に戻ってきた。
「800万の2掛け160万円を母さんが出してくれるなら思いとどまるよ。」
母が父の口座に手を出すことを狙った狡猾な誘いだ。暫く考えた後
「今の私にそんな大金は無理よ。必ず返すから暫く待ってくれない。」
「でも条件があるよ。返す気があるならこの保証人欄に署名捺印してくれよ。」
「父は私から借りたと思って借用書を作成したようなの。貸主の光一は冗談だと思ていたらしいわ。」
「今そんな事は問題じゃないよ。160万払うか。サインするか。剛田組で換金するか三者択一なんだ。」
悩みに悩んで保証人になることを選んだ。
光一は完璧になった借用書を嬉しそうにデスクの奥に仕舞いロックした。
そしていきなり若菜を抱いた。弱弱しい抵抗しかできなかった。
舌を差し込んできたが舌で応じるしか術はなかった。
「ああ母さん言い忘れたけどあと2つ3つ条件があるんだ。」
「卑怯なこと言わないで。条件は保証人になる事以外は聞いてないわ。」
「あの借用書きっちり保証人まであるから組長300万位で引き取ってくれるかな。」
「分かったわ。で条件て何よ。」
「父には話さない事。離婚して逃げられたら困るからね。それと今夜僕の部屋に来ること。」
拒否しても無駄な事は分かっている。
「わかったわ。でも光一君これで最後にしてね。こんな事を続けていたらいずれ夫に知られてしまうわ。
そうなって困るのは貴方も一緒でしょ。」
「母さんがそうして欲しいならそうするよ。でも僕を十分満足させないといけないよ。」