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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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立花文恵(34)&加山絢香(40)-1

 俺の華麗なるセックスライフは、時として思わぬ副産物として無二の親交を作り出す場合がある。
 立花文恵との情事は、夫の悟さん公認による「立ち会い付き」寝取りファックだったが、それが元で悟さんとは奇妙な友情じみたものが生まれた。
 文恵を介した穴兄弟になった訳だが、一回り近い年齢差を超えて親友同様の付き合いをする間柄が成立した。
 俺が文恵を抱いたのは一度きりである。
 悟さんからアンコールのお誘いを受けることも度々だったが、その気になれず辞退していた。
 夫婦間のマンネリ打破を考え、外部から「講師」を呼ぶような格好で俺に寝取りファックをさせた立花夫妻なのである。倦怠や愛想尽かしから不倫に走るケースとは訳が違う。
 三十四歳、豊かに熟れた文恵の肢体はたまらなく美味であったが、ラブラブ夫婦にこれ以上セックス面での介入をするのは気が引ける。
 色気抜きでの友好関係をキープしていけばいいじゃないか、というのが、俺の意見だった。

 ある週末、俺は立花夫妻から誘われ、房総までフィッシング旅行をした。
 俺も悟さんも釣り好きで、男二人で共に出かけることはあったが、文恵を同伴するのは珍しいことだ。
「文恵もやってみたいって言うんだけど、亮介くんのほうが上手いから教えてやってくれないかな」
 そんな申し添えがあったのだが、それが後付けの口実に過ぎないと判明したのは、帰着してからのことだった。
 九十九里での収穫となったカワハギや鯛を文恵が調理してくれて、海の幸盛り沢山の食卓。
 中でも文恵がビギナーズラックで仕留めた大物の真鯛は、炊き込みの鯛飯となり俺たちの舌を大満足させてくれた。

「そろそろ話してくれません? 今日は、何かあって俺を誘ったんでしょう」
 片づけも済み、晩酌を交わす段になり、俺は水を向けた。
 夫婦揃って、俺に何事かを切り出したがっていながら、なかなかタイミングが見つからない──そんな様子が窺えた。
 きっかけはこちらから作ってやったほうがいいかと思ったのだ。
 隣り合った悟さんと文恵は、視線を交わした。
 そして、やや緊張した面持ちで俺に向き直った。
 口を開いたのは文恵だった。
「無茶なお願いかもしれないけど……」
 それは、確かにとんでもない相談であった。


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