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愛憎睾丸めぐり
【SM 官能小説】

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愛憎睾丸めぐり-9

「今日から四週間、教育実習に来ました小荒井良弥(こあらい りょうや)です。国語を担当します。よろしくお願いします。」
「同じく実習生の里山蝶子です。社会を担当します。よろしくお願いします。」
毎年一度は学校に実習生が訪れる。朝の全体朝礼の場に挨拶があったが、今回、清流はそれが気恥ずかしくてならなかった。蝶子は清流のいとこである。そして、歳は蝶子より五つも上の大学院生、良弥は、蝶子の恋人であり、清流は二人を知っていた。
しかし何より、清流の恥ずかしく思ったのは、大学生の蝶子に、射精するところを見られたことがあったためだった。
「清流くん、こんなに飛ぶんだ。男らしい! カッコいいよ!」
清流が風呂場で自慰していたとき、子供扱いの変わらぬ蝶子は、そうとは知らず戸を開けた。ちょうどそのとき、上を向いた清流の細い陰茎から、白い液体が勢いよく飛び出し、蝶子の足元に落ちたのだった。しかも暫く射精は止まらない。泣きそうな顔でまだ飛ばし続けた清流の顔を見つめ、美人の蝶子が言ったその褒め言葉も、却って清流に情けなさを痛感させるものとなった。
清流は、そんな記憶に慰めと自尊心の確認を求めて、運動場に並び立つ隣のクラスの列にヨハンナの姿を求めた。
 案外近くにヨハンナは立っていた。実習生を食い入るように見つめている。白い肌が首まで真っ赤に染まっていた。
見れば、ヨハンナの視線の先にいた良弥も顔を赤くして緊張しているようだった。二人は知り合いなのかと清流は疑った。
ヨハンナの手のひらには、いつかの男の性器の感触がありありと蘇っていた。顔よりそこをヨハンナは覚えていた位だが、とにかく立っているのは例の男だった。
男のほうでもまた自分をを認めていることがヨハンナに見て取れた。珍しい金髪碧眼の容姿はただでさえ目立つものだ。真っ先に男が生徒の中からヨハンナに目を留めたとしても不思議ではない。
あの男は生きていた。その安心と、思い出された自分の罪とに、ヨハンナの意識は遠のいた。


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