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雪娘たちと転校生
【ロリ 官能小説】

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アグラーヤ-1

特区へ新たに移住してくる人は殆どいない。企業も来なければ、暴力団も来ない。ビジネスになる余地がないからだった。
しかし、宗教団体だけは例外だった。森村の父親のような研究者もそうだろう。しかし、どんな異変が影響として現れるか分からないこの地域に興味を持ってやって来る後者の人間よりは、あの世のことに関心のある前者のほうが、大胆でもあり、人数も多かった。
アグラーヤの家は、そんな人々に数えられる移住者だった。父親が、アグラーヤの生まれる前に越してきて、特区の女性である母親と結婚したのだった。
アグラーヤは野菜しか食べず、奇妙な唱え言を何かにつけてしばしばどこでも口にした。それ以外は特別変わったことのない女子だと思われた。茶色い強い巻き毛で、痩せたおとなしい少女だった。メガネをかけていた。
強いアナスタシヤとつるむことも無い代わりに、表立って反対する訳でもなかった。自分が嫌だと感じたら、いつのまにかその場から居なくなる。そんな世渡りの仕方をする少女だった。
しかし、この少女も、森村の股間を握ったことがあった。しかも、一番強く、ひねるように引っ張られた記憶が森村にあった。
アグラーヤが一日休んだとき、算数の宿題のことで、教科当番だった森村が話しかけたことがあった。森村の出身地と父親の出身地が同じだと聞いていたアグラーヤは、親近感を森村に初めから抱いており、うちへ来ないかという話になった。
冬休みももうすぐだった。アナスタシヤから、クリスマスには予定を入れるなと釘を刺された森村は
「予定なんかないよ。正月は帰るけど。アグラーヤのとこに呼ばれたのはクリスマスじゃないし。」
「え? あそこの家、知らないの? 変な宗教に勧誘されるよ。」
「興味ないし、大丈夫。お父さんが僕と同じ出身なんだって。大体、お前のとこ、キリスト教じゃないか。クリスマス、僕なんかと会えるのかよ。」
「あたしらのクリスマスは一月なの。十二月のはデートの日。」
「不真面目。」
「とにかく、気をつけなさいよ。」

森村と体の関係を持つことは、クラスの女子のあいだで認められた行為にされていた。それどころか、誰が何回したか、互いに女子は知っているのだった。結局、アナスタシヤが取り仕切っているようなものだったが、そんな話を森村は知らない。
男女の関係をいやらしいと感じることが、このクラスでは、少なくとも森村とのあいだには、意識の上で無くなっていた。まだ経験のない二人の女子以外、である。だから、アグラーヤが森村を誘ったとなれば、その目的は暗黙のうちに女子たちに推し測られていた。

仏壇に似た巨大な調度に森村はまず驚いた。全体が白色をした観音開きの中は、派手に細かい設えがしてあって、まんなかに、読めない字の書かれた黄金色の札が置いてあった。
アグラーヤは、森村が来るとまずその神棚に向かい、正座した。
「お父さんとお母さんは?」
アグラーヤの後ろ姿に森村は声をかけてみた。細い肩の少女は振り向かずに
「今日はボランティアが入ったの。残念だけど、クラスメートならいつでも会えるだろうって、行っちゃった。」
「ボランティア?」
そこでアグラーヤは振り向いた。
「うちの教会が手伝ってる犬猫の里親探し。それから野鳥のための餌やり。森村くん、動物は好き?」
「どっちでもない。」
「あたしはあんまり好きじゃない。虫とか全然無理。でも、教会は生き物をすごく大切にするの。動物園もやってる。」
「それって、大切にしてるのかな。」
「さあ。特区は人が少ないから、動物園、すごく広くて沢山生き物がいるよ。」
「自然に返さないの?」
「どうして?」
森村はなぜか腹立たしくなってきた。
「だって、アグラーヤは、何でも欲しいものが手に入るけど出られない籠で暮らすのと、困る事があっても自由なのとどっちがいい? それに、野鳥の餌やりって言ったけど、自然のバランスを崩してるんじゃないか。」
「何怒ってるの? 自然は好き。教会だと夏にね」
言いながら立ち上がったアグラーヤが、いきなりズボンごと下着まで下ろしてしまったので、森村は面食らった。切れ込みの長い女子の性器を見せつけられた。溝の縁は赤みがかって、柔らかそうだった。
「男女が裸で遊ぶ行事があるの。」
アグラーヤは服を全て脱いでしまった。痩せた白い体に薄紅色の乳首が突き立っていた。


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