奴隷里紗の躾調教の始まり 2-1
里紗は、私に洗面器を揺らさないように運ぶようにと注意されながら、「床にオシッコをこぼしてしまった失敗に動揺して立ちすくんでいた。
「こら、こぼすなー。ほらほら、洗面器を揺らすからだよ。オシッコこぼれたではないか。洗面器を置いて後始末しなさい」
と、私は指示した。里紗はぎこちなく慌てて洗面器を床に置いた。
洗面器を廊下に慌てて置いたことから、さらに小水が廊下に飛び散り濡らした。さらなる失敗に、里紗は戸惑い焦って、恐る恐る私の顔を上目つかいに覗き込んだ。
「里紗、ここには後始末に用いる道具は無いんだ。唯一使える物としては、お前が身につけているものがあるのだが、よく考えてこぼれた小水を綺麗に拭き取りなさい」
里紗は、私の命じた意味がわからず、座り込んで洗面器を眺めていた。
「お前が生まれながら、毎日一時も欠かさずに使い続けてきたものだよ。里紗」
ますます私の意味することが里紗には解らず、混乱し戸惑いうろたえていた。私は里紗の顎に手を当て持ち上げ、右手の指で里紗の口の横を挟んで押さえ口を強引に開かせた。
「里紗、解らないようだから教えてあげるよ。舌を出しなさいー」
戸惑った表情を浮かべながら、強引に開かされている口から舌先を少し出した。その舌を私は指で掴み強引に引きだそうとした。里紗は「うぇー、いぃたーうぅ…」と言葉にならない擬音を発した。
「解っただろう。里紗、生まれつき欠かさず使ってきた舌だよ。廊下のこぼした小水を下で舐めて拭き掃除しなさい。出来るかな里紗。こぼさないように、あれほど注意したのに、この始末だからな。可哀想だがお仕置きのお掃除だ。返事はどうした」
私の厳しい言葉に、里紗は怯えながら首を左右に振って拒否した。実のところ、私の心中には、まだ本格的な調教の前段階だから、追い込み過ぎるのも余り得策ではないと思った。しかし、主従のけじめを最初から崩してしまうのも、この先の二人の関係を築いていくことに対して、余り得策では無いと思い返し、強く応じるように命じたのである。
無理やり引き出した里紗の舌は、少し赤みを帯びた健康そうな美しい色をしていた。私に強引に引きだされた舌の痛さを感じて、里紗は抵抗して引っ込めようとした。引き出そうとする私と引っ込めようとする里紗との攻防がしばらく続いた。里紗はこのまま応じなければ、どんなお仕置きがあるのかと思ったのか、恐る恐るじわじわと舌を出し始めた。
私はその舌を掴んで、少し捩じるようにして引き出した。
「うぅーわいーいた…ぁい」と里紗は呻いた。舌の引き出しの攻防の最中に、里紗の口に唾液が溢れて涎として垂れた。
「里紗、おれはお前に何と命令したのだー。舌を出すように命令したのだよね…。どうすれば怒られなくて済むかを分っていながら里紗は反抗した、素直に命令に従わなければ駄目じゃないかー。もういい…。モップと雑巾持ってくるから、里紗は綺麗に拭き掃除しなさい」
里紗は涙を浮かべながらコックリと頷いた。
私は掃除道具を倉庫に取りに行った。その時、多少抵抗を示したが、躾ければ私好みの奴隷女に里紗は仕上げられるのではと思った。掃除道具を持ち帰ると、里紗は雑巾を取り、率先して拭き掃除を始めた。私もモップで廊下を拭いた。主従の絆を結ぶことになった二人が、仲良く掃除をする状況を現出することになったのである。
「よし、もういいや…。これくらいで十分だ。里紗ご苦労さん、トイレに行くぞー、今度はこぼすなよ、里紗」
「はい。もう粗相はしないように頑張ります。ご主人様ごめんなさい」
と、里紗は返事して、先程とは打って変わって素直なマゾ女に変わっていた。
里紗と一緒にトイレに小水を捨てに行って、全てを片付け応接間に戻った頃には、春の帳を迎え外は薄暗くなっていた。ソファーに座りながら里紗の肩に手を回し、
「里紗、今日は大変な日だったね。疲れただろう。朝もお昼もオークションのことが気になって里紗は食欲は無かったのだろう。お腹すいてペコペコじゃないの。おれは腹減ったよ。何か食べたいと思っているのだが、里紗は何か食べるか?」
里紗は「お腹すきました。ペコペコです」と軽く会話にのってきた。そして、恥ずかしそうに「何か作りましょうか?ご主人様…」と里紗は尋ねた。
「冷蔵庫の中に何かあるのか見て、適当に作ってくれるか。里紗」
「はぁい、ご主人様。うふぅふ…」
と、里紗はおもわせぶりに微笑み笑った。