落札奴隷里紗の引き渡し 3-1
搬送責任者の男は、落札した里紗に間違いがないと私が返事すると、
「間違いないようですから、この女は24週間の半年間、貴方様の所有奴隷として預けられます。ついては引き渡しの証として、首輪を奴隷に装着をお願いします」
と言って、男は机に置いていた首輪を私に渡した。私は少しとまどいながら、男の指示にしたがって、里紗の首に首輪を填めようとした。
男は、里紗の頭の髪を束ねて持ち上げるなど装着の手助けをした。私は美しく白い里紗の首に首輪を装着した。私に首輪を装着されているあいだ、里紗は瞼を閉じ唇を震わせながらむせび泣いていた。
里紗の首に首輪を填めた瞬間、私は所有奴隷女として、里紗を最低半年間は調教を楽しめると悦びに浸った。装着を終わるや里紗は一筋の涙を流した。その落涙の意味は、どんな感情にもとづくものなのか私には分からなかった。嬉しいのか悲しいのか、里紗のみが知る涙であった。男は首輪の装着状況を確認し、首輪にリードをつけた。そして私にそのリードを手渡した。
里紗は「あふぁ…」と言葉にならない色んな感情がこもった、ため息ともつかない声を発した。助手の男は、X字架台に拘束されている里紗の両手両足の拘束具を解き放った。そして、液体を染み込ませた布で、身体に書かれていた私の落札座席番号などを書いた口紅の文字を消した。さらに、乳液のような液体で、里紗の身体をマッサージしながら塗り込んだ。
里紗は無意識なのだろうか、露わになっていた下半身を両手で隠しながら、助手の男の処理に身を任していた。責任者の男は、助手の処理作業を終えるや、リードを再び渡すことを私に求めた。しして、里紗の首輪を掴んで強引に四つん這いの姿勢をとらせた。
里紗の四つん這いの姿勢が気に入らなかったのか、腹部に手を回して腰を引き上げ、尻を高く突き上げる姿勢に訂正した。さらに、丸める背中を手のひらで押さえて背筋が真っすぐに伸ばすように正した。
その姿勢は、朋世女王によって躾けられた奴隷犬の姿勢であるように私は感じた。男は調教時のペット奴隷訓練を思いださせるように、里紗の尻を軽く叩き歩行を命じた。
「いや。いやです。もういやですお願い…です。お許し下さい」と里紗は叫んだ。これからの奴隷生活に対する不安もあってか、少し感情的になって抵抗した。
「貴女は自ら望んだのでしょう。インターン奴隷に応募し、オークションで落札されたご主人様に仕え奴隷女として自分の性癖を磨きたいと申し出て、サロンの面接を受け許可を受け、オークションに掛けられることに同意し誓約書を提出したのでしょがー。今さら…往生際の悪いことは認められません。嫌だったら応募しなければ良かったんだ」
と男は強く里紗を叱責した。
「契約は既に結んだのだから、後には戻れないと覚悟しなさい。嫌なら規約通りに最低4回の調教をお受けして、そこから解放して頂けるように、ここにおられる落札されたご主人様に嘆願し許してもらうことだネ。最低4回の調教は最低条件だから覚悟しろよー」
男は、里紗の感情には一切考慮はしないことを言葉を通じて強く伝えた。
「理解のあるご主人のようだから、頑張れ。どんなに優しく調教して頂けるか分からないじゃないかー」
少し怒りをあらわしながら里紗を諭すように言い放った。そして、搬送責任者の男は、
「申し訳ありません。恥ずかしい限りです。少し手なずけてお引き渡し致しますので、この椅子にお座りになってお待ちいただけませんか?恐れいります」
と、男は申し訳なさそうな顔をして私に、引き渡しの一時中断することを求めてきた。私は頷いて男の申し入れを承諾した。
「大抵は、この子のように、いよいよ引き渡しになると駄々をこのるのですよ。気持ちは分からないことはないのですが、自分で決めた道なのですが、不安が先立ち吹っ切れないのでしょうね」
落札された奴隷女の引き渡し時の状況を、愚痴をこぼすように男は話して理解を求めた。
「ご主人様が引き渡しを待って下さるとのことじゃ…。素直になれるように少しお散歩でもして気を静めることにしましょうかね。ご主人様が聞き分けの無い奴隷は要らないとおっしゃらない限り、お前はおいそれと簡単に自由にはならないこと伝えておくからな…。大人しくしなさい。朋世女王さまに教えられた奴隷の従順でいることが幸せに繋がるとの教えを思い出しなー。分かったか…」
と、強い言葉で里紗を諭した。