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渡れない岸辺
【兄妹相姦 官能小説】

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1-5

 流石に疲れていたのだろう、興奮を打ち消しながらもいつしか雄介も寝入っていたのだが、明け方、カーテン越しの外光にふと目を覚ました。
 麻衣は、と目をやると麻衣も目をあけている。
「どうした? 眠れないのか?」
「ううん、ぐっすり寝た、今目が醒めたとこ」
 時計に目をやると、まだ5時を少し過ぎたほど。
「お兄ちゃんこそ……あたしは10時には寝ちゃったから」
 確かにそれくらいには眠っていた、雄介にしてもその30分後には明かりを消していた、もっともすぐには寝付かれなかったが。
「小さい頃、あたしが夜中に目を覚ますとお兄ちゃん横で寝かせてくれたよね」
「幼稚園とかその頃の話だろ?」
「三年生まで」
「よく憶えてるな」
「四年生のとき、別々の部屋になったから」
 言われてみれば確かにそうだった、高校受験に備えて部屋を分けたのだった。
「そっち行っても良い?」
「ん?こっちから行ってやるよ」
 麻衣が横に来れば並んで横たわることになる、それはちょっとやばい気がした。
 麻衣の横に行き、ベッドの端に肘をつく。
「今日はどこに行こうか?」
 昨日話していたことはわかっていたが、とりあえず何か話していなければ……。
「お兄ちゃんが連れてってくれるところならどこでも良い」
 麻衣の腕が伸びて来て雄介の首を引き寄せる、それに抗う理性はもう働かなかった。
 麻衣のぽってりとした、可愛らしくも官能的な唇に吸い寄せられるように唇を重ねてしまった。
(やべ……妹とキスしてるよ……)
 頭の中ではそう言っているのだが、唇はより強く麻衣の唇を欲している。
 麻衣が雄介の手を取り、自分の胸に導く。
 柔らかい中にも弾力があり、指を押し返して来る、パジャマの上からではなく直接触れたい衝動に駆られるが、ようやく理性が勝った。
「兄妹だろ……」
「でも、あたし、ずっとおにいちゃんに憧れてた、女らしくなった、可愛くなったって言われて凄く嬉しかったの……」
「それはホントだよ、本心からそう思う、でも兄妹は兄妹だよ、こんな事をしちゃいけない」
「……ごめんね……そうだよね……でも本当にお兄ちゃんが好き、それだけはわかって」
「ああ、それは嬉しいよ、でもその内に麻衣にも好きな人が出来るよ、その邪魔にはなりたくないな」
「お兄ちゃんより素敵な人……そんな恋人出来るかな……お兄ちゃんは好きな人いるの?」
「ちょっと前までいたよ」
「いたよってことは……」
「二つ年上でね、大学卒業して北海道に帰っちゃって離れ離れになった」
「今でもその人を?」
「……いや……離れ離れになって少しの間は寂しかったし、よく電話してたけど、段々電話もしなくなって……思い出の中にしまいこみかけてるとこ」
「離れちゃうとそんなもの?」
「もっと強い気持ちだと思っていたけど、俺も北海道に行こうとは思わないし、彼女も東京に来ようとは思わないみたいだね、お互いにそれで良いんだ」
「あたしは……」
 離れていてもずっと好きだった、と言おうとして麻衣は言葉を飲み込んだ、兄をこれ以上当惑させたくはなかった……。

 どのみちもう眠れはしないので、二人は身支度をして6時過ぎにはアパートを出た、マックで朝食を取り、電車で六本木に向う途中はなんとなく気まずく、会話も弾まなかった。
 が、しかし、六本木ヒルズを目の当たりにすると麻衣の目が輝く、展望台に昇り東京を一望すると麻衣はまた無邪気な妹に戻り、ぎこちなさもなくなった。
 しかし、一度触れてしまって堰が切れたのか、雄介は麻衣の肩を抱いたり腰に手を廻すことにためらいがなくなった、二人を見れば誰もが恋人どおしだと思ったことだろう。

 その日は朝早かったので六本木、赤坂をぐるりと廻ってもまだ午後の早い時間帯だ、雄介はお台場まで足を伸ばすことにした。


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