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渡れない岸辺
【兄妹相姦 官能小説】

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1-4

「麻衣、お酒は飲めるの?」
「う〜ん、ちょっとは飲んだことあるけど……」
「缶だけどさ、カクテル用意しておいたんだ、3%だから大丈夫だと思うんだけど、持て余すようならコーラもあるから」
「ありがとう、飲んでみる、お兄ちゃんは?」
「俺はこれ」
 缶ビールを掲げて見せる。
 缶のまま乾杯する、麻衣が手を伸ばした時、ノーブラであることに気付く、これから寝るのだから当たり前なのだが、なんとなく意識してしまう。
「ふー、甘いしシュワシュワして美味しいね、これ」
「気に入った? 口当たり良いから気をつけろよ、度数は低くても一応酒だからね」
「お兄ちゃんはビール?」
「ああ、暑い中歩き回ったしね、それに風呂上りにはやっぱりこれさ」
「あんまりおしゃれじゃないね」
「そんなもんだよ、外でカッコ付けたい時はカクテルだのワインだの言うけどさ、スーパー行ってもビールを一番沢山売ってる」
「そうなんだ」
「そうだよ、モデルみたいに着飾って化粧した女の子連れ歩いててもさ、本当にいいなって思うのは麻衣みたいに素朴な娘だったりするわけだよ」
「それ、褒めてるの? 貶してるの?」
「いや、マジで褒めてるんだよ」
「そうだと嬉しいな……」
 実際、麻衣が泊まりに来ると聞いた時は子供を泊めてやるような感覚でいたのだが、成長した麻衣を目の当たりにすると、ちょっとドギマギしてしまう、妹でなければウズウズしてしまうところだ。
 少し田舎の近況などを聞いたりしているうち、麻衣の目がとろんとしてきた。
「眠くなってきちゃった……」
「長旅の後歩き回ったからな、疲れただろう?」
「ちょっと……朝早かったし……」
「寝ちゃいな、電気消してやるよ、スタンドだけいいかな?」
「うん、大丈夫……お兄ちゃん、今日はありがとうね……」
「俺も楽しかったよ、明日は六本木とか赤坂とか……ヒルズとかサカスとか行ってみたいだろ?」
「うん……楽しみにしてる……おやすみなさい……」
 疲れが出たのだろう、ほどなく寝息を立て始めた。
 雄介はしばらく本を読んでいたが、スタンドの明かりに照らされている麻衣を見やる。
 都会の女性を見慣れてはいるが、やはり自分は長野の人間なんだなと思う、今の麻衣と同じ高一の時、幼馴染ばかりだった小・中から少しばかり世界が広がり、県内各地から集まってきた同級生の女の子達に胸をときめかせたのを思い出す、恋心を抱いた娘もいた……そういえばなんとなく麻衣と面差しが似ていたような気もする。
 由紀も颯爽とした服装はしていたし薄化粧もしていたが、ちゃらちゃらした雰囲気の女性ではなかった、雪で苦労した話、スキーやソリやスケートで遊んだ話をする時は無邪気な笑顔を見せてくれ、それがとても魅力的だった。
 由紀とベッドを共にした思い出がよみがえる……。
 女性は初めてでぎこちなかった雄介に愛撫の術を丁寧に教えてくれたが、いざ合体となれば全てを雄介に委ねてくれた……彼女の熱く、どこまでも柔らかい膣の感触と喘ぎ声が思い出される、自分の下で悶えている彼女の唇に自分の唇を合わせると腕を廻してしがみつかれ、むさぼりあうような情熱的なキスを交わしたものだ……。
「う……ん……」
 麻衣が小さな声を漏らして寝返りを打ち、こちらに向き直った……、由紀との濃厚なキスを思い出していた雄介の目は思わず麻衣のぽってりとした唇に釘付けになる。
(俺は何を考えているんだ、妹じゃないか……)
 雄介は慌てて目をそらし、明かりを消した。


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