富樫奈穂子(36)-8
「これの、半分くらいだった……」
昨夜のお相手に関して、奈穂子は俺のものを基準にそう例えた。
「気持ちよかった?」
「あんまり。でもテレビでレギュラーの仕事取れるかもしれなくて」
「あ、それでヤラせたんだ。いいねいいね。何て番組? 上手くいったら毎週チェックしたい」
「まだ本決まりじゃないから言えないの」
「テレビの話が決まったら、名前もっと売れるよね。そのためにはまたそいつと寝たりすることもある訳だ?」
「そういうことになるかも……」
「旦那さんにはもちろん知られたくない?」
「当たり前でしょぉ」
俺のデカブツがよっぽどお気に召したらしい。鍵盤を叩くための指を禍々しい肉根に絡ませ、その手触りを楽しむ如く愛撫してくる奈穂子だった。
「ねえ、俺も奈穂子さんの綺麗な身体、撫で回したいんだけど。邪魔なもの剥ぎ取っちゃっていい?」
もちろん、ダメと言われてもそうするつもりの俺だ。組み敷いた奈穂子の上体からノースリーブのサマーセーターを剥いだ。
水着かと見紛う白い少面積のブラは、たわわな乳房をより強調していた。
「あ、横乳にキスマーク発見。これ旦那さんに見られたらヤバいやつじゃね?」
「それ、旦那がつけたのだからぁ……」
「ってことは、夫婦の営みは割と盛んなんだ? この感じだと新しいキスマークだよね」
「あちこちつけてくる人なの……それ、一昨日お風呂でつけられた」
「ふぅん。一緒に風呂入ったりするんだ。ラブラブだね。けど不倫もやめられない?」
ズバリ問うと、奈穂子は眉をハの字にしながら、ニンマリと口元を綻ばせた。
悪いとは分かっているけど、本能が言うことを聞かないの──そう言いたげな、ふしだらながら可憐さもある、魔性の笑みだった。
「いいね、そういうの。一途なばっかりより、よっぽどいい女って気がするよ。男も女も、色んな相手と経験して楽しむのが健全だと思うんだよね」
ホックを外し、豊乳の全貌を拝ませて貰う。
デカいが張りのあるロケットおっぱい。ツンと硬くなった乳首は茶色で、これまでかなり弄ばれてきたであろう経験値を感じさせる、プックリした卑猥な蕾だった。
双丘を両手でやんわり包み込み、人差し指だけ乳首に宛てがい、コリコリと転がした。
「あふっ……んんっ!」
ピクンと身体を震わせ、甘い声を漏らした奈穂子の唇を、すかさず奪う。
「んっ……ん、んん〜っ……」
ひとたび雪崩れ込んでしまえば一気に燃える積極性の持ち主らしい。腕を回して俺の首っ玉をとらえ、熱烈なキスに応じる奈穂子だった。