新たなる手口-5
「久しぶりだな、菜っちゃん。」
組長の権田豪が立ち上がり握手を求めて来た。
「だから菜っちゃんはヤメて下さいよ。」
いい加減にしてよ的な笑みを浮かべて握手を交わす。
「いいじゃねーかよ、俺と菜っちゃんの仲なんだからさ。」
「どんな仲よ。」
「ハハハ!まぁ座りなよ。」
「失礼します。」
権田はマギーと華英をソファに座らせると、対面して腰を下ろした。
「そっちが噂の相棒??」
権田はただ視線を向けただけであったが、華英には睨まれたような気がした。
「はい。権田さんの好みじゃないですか?」
「かもな!」
マギーから話を聞いたばかりの華英は愛人として好みかどうか言われているような気がした。
「わ、私は経験もないし下手なんで無理ですっ!!」
華英は上擦った声で言った。
「ん?何の経験だ??」
首を傾げて怪訝そうな顔をした権田。あまり話を長引かせると面倒になりそうなのでマギーは華英をからかっている事を説明した。
「違うんです。さっき権田さんと私がどんな関係かと聞かれたんで、私が権田さんに弱みを握られて性奴隷にされているって言ったら、本気にしちゃって!アハハ!」
「性奴隷??」
権田はポカンとしてマギーを見つめた。
「も、もしかしてさっきのは嘘ですか!?」
顔を真っ赤にしてマギーに振り向いた。
「嘘に決まってんでしょ、あんなの!アハハ!」
「ひ、酷ぉい!」
マギーは気分良さそうに笑っていた。
「性奴隷は酷いな!俺は無理矢理女を手にかけるような真似はしないからな?」
「知ってますよ。じゃなきゃ上原さんが信頼するはずがないですからね。」
「まぁな。でも菜っちゃんみたいなツンデレだったらちょっとはイジメてみたい気持ちもあるが、ね!」
「遠慮しときます♪」
「何だよー。俺、意外と菜っちゃんみたいなクールビューティってゆーか、ツンデレ、好きだぞ?」
「権田、実はMなんじゃないですか?」
「菜っちょゃんにだったらMになるぞ?」
「私は、結構キツいですよ?」
権田はニヤっと笑う。
「菜っちゃん、そんなにキツいのか…?♪」
「えっ…?あ…、そうゆう意味じゃありません!」
思わず顔を赤らめるマギーに権田は笑う。
「ハハハ!若ちゃんのようにはままだ上手くエロ話をかわせないな!だがそこが菜っちゃんの可愛い所だ♪」
「もう…」
ため息をついて恨めしそうな目で権田を見つめた。そんな2人をただただ見つめる事しか出来なかった華英であった。