アンジェラ-10
「お願いだからもう紐を解いて」
「どうして? もう疲れた?」
「うん。もう十分感じたから」
「腰が抜けるほど感じた?」
「うん。もう腰が抜けた」
「そうか。それじゃ僕は2万円得したな」
「うん。もうお金なんか要らないから早く解いて」
「よしよし。そんなに満足したのか。今解いてやるから」
靖が紐を解いてやるとアンジェラは下から猛然と靖に組み付いた。そのまま逆転して上に乗り、両手で靖の両手首を押さえつけた。
「何するんだよ」
「セックスするのよ」
「まだやるのかよ。感じ過ぎて腰が抜けたって言っただろ」
「腰が抜ける程感じたいから紐を解かせたのよ。貴方のやりたいようにやらせているとじれったくてしょうがないから」
「何だよ。それじゃ嘘付いたのか」
「セックスってこうやるんだよ。良く見てなさい」
上になったアンジェラは上半身を起こしたまま腰を動かし始めた。腰を上下させると言うよりも円運動をするかのようにして結合したままクリトリスをこすりつけている。靖の手首を握っていた手はいつの間にか放して今は靖の脇腹あたりを掴んでいる。靖は下から手を伸ばしてアンジェラの乳房を掴んだ。しかしアンジェラの腰の動きが激しくて靖はもう我慢することが出来ずに発射してしまった。しかしアンジェラはそんなことにお構いなく腰を動かしていた。靖の性器が堅さを失いそうになると脇腹を掴んでいた両手にぐっと力を入れて握りしめた。靖はギェーと叫んで身を仰け反らせた。痛いけれども感じているのだ。それで性器の固さが戻るとアンジェラは一層激しく腰を動かして果てた。どうと靖の上に倒れ込んできてキスした。
「激しいなあ」
「セックスってこうやるのよ」
「やっぱり君はSなんだな」
「違うわ。貴方がセックスを知らないのよ。ただオチンチン入れればいいと思ってるんだから」
「入れて動かしただろ」
「あんなの動かしたうちに入らないわ。大体おっぱいなんか吸いながらやるから腰に力が入らないのよ」
「コロンビア人っていうのは激しいんだな。やっぱりサンバの国だな」
「それはブラジルよ」
「そうか。それにしても強い力だな。見ろよ、手首も脇腹も赤くなってる」
「でも感じたでしょ」
「ああ、それは確かに感じたな」
「セックスっていうのはこうやるのよ」
「君とセックスするとこっちが腰を抜かすな」
「日本人は駄目ねえ。大体もっと太りなさい」
「太りなさいって言ったって太らない。いくら食べても太らないんだ」
「嘘よ。食べれば太るわよ。さっきだっていくらも食べなかったじゃない」
「少し食べるとお腹がいっぱいになるんだ。安上がりに出来てるんだな」
「駄目ねえ」
「あのさあ、悪いけど重いんだよ」
「ああ。それじゃ上になる?」
「うん。上になってもいいけどそれよりおっぱい吸いたいな」
「駄目」
「どうして?」
「今日は仕事じゃないから厭なことは厭なの」
「仕事じゃないってったって、2万円取るんだろ?」
「お金なんかいらないわ」
「だって約束だから払うよ。腰が抜けるほど感じさせるって言ったのに出来なかったから」
「もういいわ。十分満足したから」
「そうか。有り難う」
「言っておくけど自分で満足するようにやったのよ」
「分かってるよ。僕の好きなようにやらせてれば結局は同じように感じた筈なんだけど」
「そんなこと無い。貴方のはじれったくて駄目。あんなことしてたって永久に感じない」
「やっぱり国民性の違いかな」
「そんなことじゃないの。貴方はセックスを知らなさ過ぎる」
「そうかな。日本の女はチンポを入れるとそれだけでギャーと言って仰け反って満足するんだ」
「嘘。そんなことある訳無い」
「そうなんだよ、日本人は」
「まあいいわ。これから少しずつ私がセックスを教えて上げるから」
「それじゃ僕はSMクラブにセックスを教わりに通うのか」
「もうあそこには来なくていいの。いつも外で会うから」
「どうして?」
「あそこでセックスしてるのがバレると首になるからよ」
「そうなの?」
「そうよ」
「それは知らなかった」