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長い夜は湯煙と共に
【SM 官能小説】

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入浴再び、そしてミッション通告-3

「で、でもそれだったら、本当にされなくても、自己申告で大丈夫じゃないですか?誰か分からない男に強姦されたって嘘をつきさえすれば、向こうから破談に……」
「それも無理ですわね」
「な、なんで……?」
「強姦された証明が必要なのですわ。先方の男が疑り深くて」
「ご、強姦の証明……?」

初めて聞く言葉に、僕は頭が混乱した。まさか強姦をした男は、被害者の女性に証明書的な何かを出さなければいけない決まりでもあるのだろうか。だとすると、先程僕は実梨亜さんに強姦証明書を発行し忘れたことになるが、そんな話はネットのどこでも見たことはない。

「強姦の証明って、一体どんな……?」
「ありますでしょう? 女が殿方に乱暴にされて残る痕が」
「そ、それは……処女膜?とか破れるかも知れませんけど、それは普通のセックスでも同じで……」
「そんな当たり前の痕ではありませんわ。例えば、乳首が強引に引っ張られて伸びてしまうとか……お尻を何度も叩かれてお猿のように真っ赤に腫れるとか……お尻の穴を広げられて、中を洗浄されておちんちんをねじ込まれてかき回されるとか……最後はもちろん、子宮に赤ちゃんの素を直接噴射ですわね」
「…………」

鎖和乃さんの中で、強姦はそういうイメージらしい。そこまでされるのは、あんまりないと思うんだけど……

「それで……証明のために、そうなった体を相手の男性に見せるんですね」
「そんなわけありませんでしょ」

にべもない態度で、否定する鎖和乃さん。

「懇意にしている女医の方がいらっしゃるんですの。その方に診断書を作っていただきますわ。それを見せれば破談完了ですわよ」
「あ、それならいいこと思い付いた! その先生に事情を話して、偽の診断書を作ってもらえば……」
「人様に不正の片棒を担がせろと!?」
「いえ、今のは忘れてください……」

こちらの脳天を貫くような鋭い眼光に射すくめられ、僕はすごすごと自説を引っ込めた。

「それで結構ですわ。ああ……もしどこかに、女を欲望のはけ口の肉人形としか見做さない、鬼畜で無慈悲な、男気のある強姦魔の殿方がいらっしゃったら……」
「男気がある奴は、普通強姦とかしないと思うん……うっ」

途中まで言いかけて、僕ははっとした。鎖和乃さんがじっと僕の顔を見つめているのだ。

「…………」
「どこかにいらっしゃったら……」

やはり、鎖和乃さんの視線は、まっすぐ僕の目を捕えていた。

(……もしかして、今ここで、僕が鎖和乃さんを強姦する流れになってる?)

さすがにそれは考え過ぎか。僕は恐る恐る手を挙げた。

「誠にすみません……つかぬことをお伺いしてもよろしいでしょうか……?」
「ええ。何なりと」
「その、その、その強姦って、時期的にはいつごろまでにされないとヤバい感じの状況なんでしょうか……?」
「今夜中ですわ」
「え!!??」

さすがに僕は驚いた。もう全く猶予がないではないか。

「明日、この旅行から帰ったら籍を入れる予定になっていますのよ。ですから、強姦されるとしたら、もう今夜しか……」
「…………」

つまり、今ここで僕が鎖和乃さんを強姦しないと、彼女は望まない結婚をしなければならないということか。僕は戦慄した。

(でも、さっきの実梨亜さんのときとは状況も違うし……やっぱり強姦なんて犯罪行為をするわけには……)

僕はもう一度、遠慮がちに手を挙げた。

「……たびたび、申し訳ありません……」
「ですから、何でも聞いてくださっても構いませんわよ。お乳のサイズでしたら、127センチのSカップですわ」
「……鎖和乃さん的には、強姦されるのと、結婚するのと、どっちがより嫌なんでしょうか……? やっぱり強姦は女性の心に一生傷を残すって言いますし、今は気が進まなくても、ここは素直に結婚しておくという手もあるんじゃ……?」
「……何でも聞いてくださいとは言いましたけど、そこまでの愚問とは思いませんでしたわね」
「…………」

ゴミを見るような目つきで容赦なく斬り捨てられ、僕は何も言えなかった。

「好きでもない男性に嫁いで一生を棒に振るより、一時の凌辱を甘受する方がずっと楽に決まっていますわ。もちろん、警察に被害届を出したりなんか決していたしませんわよ」
「…………」

どうやら、覚悟を決めるしかないらしい。

「…………」

僕は緊張しながら、お湯に浸かっている両手を少しずつ、前に伸ばした。
そして、僕の頭ほどある鎖和乃さんの左右のおっぱいを、がっしりと掴んだ。


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