投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

たんぽぽは風に揺れて
【兄妹相姦 官能小説】

たんぽぽは風に揺れての最初へ たんぽぽは風に揺れて 10 たんぽぽは風に揺れて 12 たんぽぽは風に揺れての最後へ

たんぽぽは風に揺れて-11

(11)

 志麻子の唾液は甘い。
「うう……」
舌を絡め、息を吹きかけ合う濃厚な口づけである。子供の頃の拙いキスではない。だが、
(あのキスは……)
志麻子の話から振り返ると今の俺たちの原点があったようにも思えてくる。だからといって志麻子との深い関係に至った理由に結び付けるつもりはない。ただ、2人の深層にこびりついた何かががあった気がするのである。

「お兄ちゃん、勉強ができて、いつもトップクラスだった……」
突然、志麻子が話し始めた。
「いろんな人から言われた。お兄ちゃん、すごいねって」
いくら頑張っても追いつけない。いや、そもそも頑張る気にもなれない差を感じてやる気も起きなかった。
(それで、生活が乱れたのか……)
「俺、いやなやつだった?」
志麻子は顔を横に振った。
「憧れだったのよ。自慢のお兄ちゃんだったのよ」
確かに落ち込んだこともあったけれども、
「嫌いだと思ったことはなかった……」
むしろ、好きだった。
 
 好きだったから、
「反発したのかもしれないな……」
真面目なエリートのお兄ちゃんがしないことをしてやろう。そう思って意固地になっていたのだと思う。
 後悔してるのは、突っ張った行動。自棄になっていた。好きでもない男の誘いに応じて身を任せた。
「初めての時、お兄ちゃんの顔が浮かんだ……」
「もう言うな。何も言うな」
俺はしがみつくように志麻子を抱きしめた。

(なぜそんな話をしたのか……)
志麻子の真意がわからなかった。
「お兄ちゃん……こんなこと……いつまでも続かないよね……」
「……」
「お見合いの話、いっぱいあるじゃん」
そんなことを考えていたのか。俺の愛撫を受けて全身を硬直させながら、俺のことを気遣ってくれていたのか。……
「俺は……志麻子が好きだった、ずっと、ずっと……」
乳房に顔を埋めて舌を這わせた。

 志麻子の言うことは俺自身、何度も自問自答したことだった。誰にも言えない。知られてはならない。行く末は見えない。
(志麻子も苦しんでいた……)
「志麻子が好きなんだ」
「ありがとう。でも、そんなの、だめだよ」
「だめじゃない。ずっと好きだったんだ。これからも」
「お兄ちゃん、結婚しなきゃ」
「お前だって」
「あたしはもう、2回も失敗してる。こりごり……。お兄ちゃんは跡取りよ」
思いがけない古臭い言葉を聞いて俺は却って志麻子に心を熱くした。
(そんなことは、関係ない……)

 志麻子が俺を仰向けにして下へと移動した。ペニスは裏筋を見せて脈動している。敏感な筋に舌先が這う。
「ああ」
何度も往復する。感度が増幅してじっとしていられない。口に含まれるのはそのタイミングだ。
「うう!」
強すぎず弱くもなく、絶妙の圧迫で舌が絡み快感がきらめいていった

 あまり先のことを考えるのはやめよう。解決に向かう手順などないのだ。ならば将来あるべき2人の姿を求めても仕方がない。
「俺の気持ちは変わらない」
誰とも結婚はしないし、志麻子以外の女を愛することはない。ただ、俺の想いによって志麻子が苦しんでは困る。重荷を感じさせてはいけない。縛るつもりはないのだ。だからもし、志麻子に新しい相手が出来たとしたら、笑って見送ることにする。静かに離れていくことにする。だが、俺の強い想いが彼女の自由を奪うことに繋がりかねない一面をももっていた。
「あたしも同じ気持ち。でも、10年先のことはわからないわ……」
「だから、考えない。……」
今を、今日一日を、そしてほんの少し先の楽しみだけを話そう。
「うん……」

「どこか旅行いきたいな」
俺の胸に頬をのせて志麻子が言った。
「うん。いいな」
「いく?」
「温泉がいいかな」
「いいね、温泉。ほんとに行く?」
「夏休みに2泊か3泊。休みとれるのか?」
「いまからならローテーション決まるまえだから」
話をしているだけでわくわくしてきた。ホテルで何度も抱き合っているのに、旅行を思い浮かべると新たなときめきが芽生えてきたのである。これまで2人で泊まったことはない。
(新婚旅行みたいだ……)
高鳴りは静かな波となってうねり出し、新鮮な予感をともなって近づいてくる気がした。
「楽しみね、お兄ちゃん」
 志麻子の抱擁はやさしく、そして徐々に強くなっていった。



  

   


たんぽぽは風に揺れての最初へ たんぽぽは風に揺れて 10 たんぽぽは風に揺れて 12 たんぽぽは風に揺れての最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前